キャンパスレポート

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2月28日(木):FD講演会が開催されました。

FD講演会写真 FD講演会写真

 福山市立大学では,教員の教授能力等の向上をめざして,毎年,研修の機会を設けて研鑽を重ねてきています。今回の講演会は,より前向きな活動を継続するために,これまでも追及してきた「本学におけるFDとは何か」について,原理的・批判的な考察を加えることを目的とし,「FDを問う― 批判と問題提起 ―」という講演会を企画しました。講師には九州産業大学国際文化学部准教授の藤田尚志先生(哲学)をお招きしました。
 藤田先生は,『「やる気を引き出す」とはどういうことか?』という題目でご講演くださいました。もはや「分人」とも表現される人々の中に大学教育が培おうとしている「主体性」や生きる力に代表される「〇〇力」とはそもそも何なのか。ポストフォーディズムやハイパーメリトクラシーと呼ばれる現代社会の入り口としての大学の役割は何か。御専門である哲学的視点に基づき,根本的で重要な問いを示されました。それと同時に,「遊び」「カフェ」「小商い」といった身近にあるキーワードを端緒として,急激に変化する社会の中にある大学教育のあり方を立ち止まって考えるための材料を提供してくださいました。かみ砕かれた説明やユーモアに富んだ具体例がふんだんに組み入れられており,教職員の両方から理解がすすみ思索が充実したという意見が寄せられました。また質疑には学問的立場と大学現場の実情を基に丁寧にお答えいただきました。
 ご講演の全体を通して「各教員が(FD自体に関しては素人であっても)自らの専門分野の知見を持ち寄る」という大学の本質を活かすことこそFD活動なのではというエールが込められていると感じました。そしてこれからも本学が学生教育を充実させるためにどのような空間や時間をデザインすべきなのか,新たな視点を得て探求するきっかけをいただきました。

【注】FD(ファカルティー・デベロップメント)とは,大学教員が教授能力等の向上を目指して取り組む組織的な研修活動のことです。