開学後の6年間を振り返って

No39.jpg

 福山市民の大きな期待のもとに開学した福山市立大学のこの6年間の歩みは、開学時に描いた大学のビジョンを具体化にしていくという点で、おおむね順調に推移したと思います。

 まず、大学としてゼロからのスタートを切った本学に、開学初年度より多くの高校生、保護者、学校関係者から多大な関心と期待を寄せていただき、「学びたい大学、入学したい大学」として6年間に延べ11,181人(7年目の平成29年度入試を含めれば12,877人、平均志願倍率7.36倍)の高校生に出願いただけたことは、新設大学である本学にとって、何よりも大きな励みになったと思います。

 第1~6期生として入学した学生に対しては、教員それぞれが、それぞれの専門分野での学術的な知識、実務的な経験、教育に対する情熱をもって、「一人一人の学生を社会に繋ぎ、職業に繋ぐ先進的な大学教育」を展開できたと思います。少々のためらいをもって導入した4学期制も、学年進行の中で学生・教職員に受け入れられ、本学の4学期制は、新しい大学教育の形態として瞬く間に全国の大学に波及していきました。

 「学際性」と「実践性」が高く、社会との強い繋がりなしには展開しえない教育学部と都市経営学部における教育と研究は、「キャンパスは街、学ぶのは未来」の旗印の下で、確かな成果を着実に生み出すことが出来たと思います。教育においては、キャンパスと現場を行き来する「シャトル型大学教育」が、4年間を通じて学生たちに地域の大人たちに触れる機会を数多くもたらし、これが「他大学の学生とは違う」と評されるFCU学生の成長に繋がったと思います。

 「世界に目を向け、世界に繋がる大学」づくりも、開学当初からの大きなテーマでした。開学3年目の平成25年度には授業、語学研修、海外ボランティア等で海外渡航する学生が延べ114人に上り、FCU学生の海外志向の高さに驚かされました。この海外志向の気風は、教員による活発な海外活動とともに大学に着実に根付いてきており、開学5年目にフランスの協定大学から教師をめざす学生5人を迎えたことは、本学にとって国際化の大きなマイルストーンになったと思います。

 学生の就職に関しては、開学時に掲げた「全ての教職員は、全ての学生の卒業後の進路に関心と責任を持つ」との方針のもと、全学をあげた就職支援に取組み、第1~3期生の高い就職実績を残すことができました。これについては、開学後5年間の実績を基に平成28年度に受審した大学機関別認証評価において、本学の7つの「主な優れた点」の一つとして、「就職率が高く、就職先において在学中に身に付けた資質・能力についての評価も高い」と評価されました。

 FCUでは、この3月末に開学を担った第一世代の多くの教員が退職し、4月には12名の新任教員を迎える中、新学長のもとで大学の更なる充実・発展をめざしていくことになります。FCUの若いリーダーには、「FCUには前進あるのみ」の果敢な精神で、時代が求め、地域が求める大学づくりに邁進していくことを期待しています。FCUが、これからもここ福山の地にあって、「市民の、市民による、市民と共にある大学」であることを忘れず、開学以来、築き上げてきた「学生が輝く大学づくり」の伝統を守り続けていくことを願って、お別れのご挨拶といたします。

開学5年目を振り返って

20160301001.jpg

5年目を迎えた昨年の4月、第5期生を迎えてFCUは開学後の第2ステージのスタートを切りました。特に、大学院を開設し2つの研究科に合わせて11名の学生を迎え、また新たに10名の専任教員を迎えたことは、大学の次なる発展に向けた大きな一歩となりました。

 入学した学生一人ひとりを、社会に繋ぎ、職業に繋ぐという開学来の教育方針のもと、5年目も多くの学生たちが学外での活動に取組みました。教育学部では6月から11月末にかけ、延べ328名の学生が、合わせて9つの実習に取り組み、また、学校・保育所での課外での実地体験にも活発に取り組みました。一方、都市経営学部では、7月のアラスカ実習に29名、12月のベトナム実習にも6名が参加しました。また、地元企業や市役所でのインターンシップにも19名の学生が参加しました。

 国際交流にも大きな進展がありました。10月末には協定校であるフランスのUPEC(パリ・エスト・クレテイユ大学)から6名の学生が来学し、地域の学校や施設で研修を行いました。また、10月にはカンボジア復興支援プロジェクト研修として教員養成大学教員3名が来学し、ESD(持続可能な開発のための教育)について研修を行い、11月にはインドネシア政府派遣教育視察団6名が来学し特別支援教育について研修を行いました。

 課外での学生たちの活躍もめざましく、11月には教育学部4年生2名が中国四国心理学会で研究発表、都市経営学3年生2名が(社)中国地域ニュージネス協議会の「魅力発信グランプリ2015」で最優秀賞を受賞、12月には都市経営学3年生2名が(公)ひろしまベンチャー育成基金の「ひろしまヤングベンチャー賞(商業・生活文化分野)」で銀賞を受賞、さらに2月には都市経営学部4年生の卒業論文が学会誌に掲載決定等、大きな成果が相次ぎました。

 学生の就職については、就職活動と就職内定の開始時期がそれぞれ3月と8月に変更となったことから、年の前半の進み具合には少しハラハラしましたが、後半には着実に進路が決定し、年明けには、ほぼ昨年の第1期生の実績に近い就職状況となりました。第2期生の頑張りに、心から拍手を送りたいと思います。

 わが国の大学は大きな転機のただなかにあります。平成31年度をめざした高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体的改革(高大接続改革実行プラン)が、これから数年間の最大のテーマになります。また、地方創生が叫ばれる中、公立大学に加えて国立・私立大学の地域志向型大学・学部への転換が急速に広がりつつあり、地域志向の大学教育や人材育成が、これからのわが国の大学改革を牽引する兆しが見えています。いよいよ、今年は福山市の市制施行100周年。FCUは、このような潮流の先駆けとなった大学の一つとして、これからも地域の期待と信頼に応える大学、福山市の次なる100年の発展に貢献できる大学をめざして、その使命を果たしていきたいと思います。

◆ 開学5年目の5月を迎えて

20150513新学期が始まって早くもひと月。大学院がスタートするなか,学部第5期生と大学院第1期生を迎え,あわただしい4月の日々でした。新入生・在校生オリエンテーションに続いて履修登録が始まり,第1学期の授業が一斉にスタート。順調に開学5年目のスタートを切ることができました。4月22日には全学教員集会を開催して,開学5年目の課題に向けて,決意を新たにしました。第1期生に続いて第2期生を,自信を持って社会に送り出す。この目標に向けて,全教職員が力を合わせてベストを尽くす。そんな5年目をめざしたいと思います。


◆ 個性あるまちの個性ある大学づくりをめざして

20150513愛知県の岡崎市,兵庫県の尼崎市とともに,福山市は来年7月が市制施行100周年。すでにカウントダウンが始まり,市内各所で100周年を祝うプレイベントが展開されています。港町キャンパスでも,学生も参加して,100周年に向けて製作が進む映画のロケ。FCUは,このような街の活気に支えられ,地域・市民と一体となった多彩な活動を展開し,大きな成果を上げることができました。これからも,地域に根ざし地域とともに歩む大学として,個性あるまちの個性ある大学づくりに邁進していきたいと思います。


◆ 5月の若葉に誘われて

20150513長かった連休が終わると5月が本番を迎え,ばら祭に向けて,華やいだ気配が漂い始めます。祭りのシンボルとなるばら公園も,しっかりとリニューアル。とても明るく華麗なばら公園に生まれ変わりました。そんなばら祭の準備を気にしながら,やはり山の緑が見たいと,福山の西郊,金江町の山中,見晴らしのよい山頂近くにある福山市園芸センターを訪ねました。海の見えるミニ植物園の趣。「もう一つのばら公園」のような花壇や心地よい芝生広場もあって,とっておきの憩いの花園。山の緑,若葉の緑が目に染みるひさしぶりの休日でした。

◆ FCU第1期生を社会に送り出すにあたって

イメージ  福山市立大学(FCU)は,この4年間,開学にあたって掲げた「大学の使命」「教育研究の理念」「人材育成の目標」の達成をめざして,全力を挙げてその活動を展開してきました。その結実として,この3月,開学後初めての卒業生を社会に送り出すことになりました。
 FCUでは,入学した学生一人ひとりが社会的・職業的に自立していけるよう,大学が責任をもって4年間にわたる組織的なキャリア支援に取り組むこと,また,全教職員が全学生の卒業後の進路確保に責任と関心をもって取り組むことを目標に掲げました。この目標は,この4年間に教職員にも学生にもよく浸透し共有されたと思います。
 日々の教育活動においては,一人ひとりの学生に確かな人間的成長をもたらす内容豊かな教育プログラムを,そして一人ひとりの学生を社会に繋ぎ,職業に繋ぐ教育を進めるための多種多彩な教育プログラムを展開してきました。その成果は,学生の日々の成長ぶり見てとれ,また第1期生の就職状況にもはっきりと映し出されたと思います。
 企業就職をめざす学生たちは,一昨年の12月から就職活動に取り組み始め,昨年の4月・5月と推移する中で,徐々に内定が出始め,6月半ばには7割近い学生が内々定を得るところとなりました。これには,近隣大学からも驚きの声が挙がるほどでした。さらに,7月から10月へと教員採用試験や公務員試験等が続き,企業就職の後半戦と合わせて,秋が深まるなか,順調に内定が進みました。年明けの1月段階で,92%を越える学生が就職を決定できたことは,就職実績ゼロからのスタートとなる新設大学としては大きな成果と,広く社会に受け止めていただけたと思います。
 自らの将来の選択に真剣に取り組み,夢溢れる就職を勝ち取った一人ひとりの学生の健闘を,心から称えたいと思います。また,学生たちの取り組みを日々親身になって支えたキャリア・デザインセンター(CDC)のスタッフ,そしてFCUの全教職員の献身にも心から敬意を表したいと思います。FCUでは,不本意にも就職が決まらずに卒業を迎える学生のために,卒業後も支援していく仕組みと体制を整え,これからも卒業生一人ひとりの行く末を見守っていくことにしています。
 卒業を迎えた第1期生が,自らの手でFCUを築き上げ,そこで学び成長したことを生涯の誇りとし,社会の各界で信頼される人材として活躍されること願ってやみません。FCUでは,これからも地域の,社会の,そして世界の未来を切り拓ける力溢れる人材を社会に送り出すことによって地域から,社会から評価され信頼される大学をめざしていきたいと思います。
 FCUは,今春,開学5年目を迎えることになります。折しも,FCUには大学院が設置され,教育学研究科と都市経営学研究科の2研究科(修士課程)をもって,一段と高いレベルでの教育研究活動や地域貢献活動を展開していくことになりました。これを機に,決意も新たに,学生・教職員が力を合わせて,地域に根付き,世界に繋がるFCUならではの個性ある大学活動を,これからも展開していきたいと思います。

◆ いよいよ大学の独り立ち

8月12日から始まった長い夏季休業も 8月12日から始まった長い夏季休業もあと3週間。今年の夏季休業は,初日12日に行われた文科省による設置計画履行状況調査で始まりました。調査委員と関係スタッフ5名が来訪。役職者へのヒヤリング,学生インタビュー,施設視察などの調査があり,少し緊張感もありましたがFCUのありのままの姿を伝えることができました。今回の調査は,このあと審議会に報告され,その結果は来年2月には公表されることになります。これをもって開学時から続いた文科省によるFCUへの「アフタケア」が全て終了し,いよいよ来年4月には大学の独り立ちの時を迎えます。これからも開学の初心を忘れず,気を引き締めて大学運営にあたっていきたいと思います。

◆ 全員の無事を確認して

それから1週間後の8月20日未明 それから1週間後の8月20日未明,広島市北部を襲った局地豪雨による土砂災害。FCUにも被害の大きかった地区に在住する学生や帰省先がある学生がいることが判明。直ちに該当する学生10数名に連絡をとり,その日の午前中には学生は全員無事,家族にも被害が出ておらず,居住する家屋にも被害が出ていないことを確認しました。その後伝えられる被害状況は,想像を遥かに超える悲惨なものでした。山間部が多く平野が少ない広島県。福山市の神辺地区にも「堂々川の砂留」と呼ばれる江戸時代に築かれた大規模な砂防ダム群が残されており,地球規模の異常気象が山間部にもたらす雨水の危険性とそれに対する備えの重要性に改めて気づかされました。


◆ 始まっている労働力の減少

9月に入って広島県の雇用推進会議 9月に入って広島県の雇用推進会議に出席しました。テーマは「労働力不足の現状と課題」。急速に進む労働力人口の減少に対応して,高年齢者,若者,女性の雇用をどう広げていくのか,詳細なデータに基づいて議論が交わされました。広島県の30年後の人口推計は16.2%減,うち15歳~65歳の生産力人口の推計は28.9%減。これまでのように労働力を確保できなくなるなか,一人ひとりの生産性をどう高めていくのか,勤労や雇用に関わる社会システムをどう変えていくのか,女性の就業環境をどう整えていくのか等々。大学を含め日本の社会が総がかりで取り組まなければならない待ったなしの21世紀の大テーマであることを強く感じました。

◆ 先駆けの4学期制

先駆けの4学期制 FCUの4学期制は,開学当初はあまり注目されることはありませんでした。しかし,この1~2年の間に,大学の国際化と学生の海外体験の必要性から,2学期制を4学期制に切り替える大学が増え始め,FCUの4学期制が先駆けとして注目されるようになってきました。6月末には遠く北海道の地方紙「北海道新聞」にも大きく紹介され,全国にFCUの4学期制の成果が伝えられるようになってきています。そう言えば,先日の大学説明会でも,4学期制を活用して就職活動に専念し,念願の就職を果たすことができたという学生の体験報告がありました。学生たちが自らの力で4学期制の活用を考え始めてくれているのはとてもうれしいことです。

◆ 進むFCU第1期生の就職内定

 進むFCU第1期生の就職内定 全ての学生の卒業後の進路に,全ての教職員が責任と関心を持つ。これは,一人ひとりの学生の社会的・職業的自立に責任を負うFCUの理念です。昨年12月から始まった第1期生の就職活動は,企業,公務員,教員・保育士と,秋まで続きますが,企業就職については,6月半ばの時点で内定を得た者が約7割と公表され,周辺大学からは驚きの声をいただくほどでした。地元福山あげての応援,景気の回復や企業の採用増など,様々な追い風があっての成果とみなければなりません。これからの公務員,教員・保育士についても,全員就職を目標に,引き続き全力を挙げて学生の取り組みを支えていきたいと思います。


◆ 福山のウォーターフロント

福山のウォーターフロント 福山は海辺の街ですが,臨海部は工場群がひしめき,中心市街地近くには市民が憩えるウォーターフロントといえる場所は,そう多くはありません。FCUの港町キャンパスも,よく見れば福山のウォーターフロントの一角を形作ってはいますが,市民が憩えるウォーターフロントと言える環境・景観とまでは言えません。そんな福山で,市民が憩えるウォーターフロントを見つけました。港町キャンパス前から内港南側堤防を海に向かって進み,江戸時代に築かれた一文字堤防を南に下ると,かつて四国と行き来するフェリーが発着した福山港。いまここは,450隻のボートが係留でき,市民が憩える素敵な"Fukuyama Boat Park"になっています。ぜひ,休日には海辺のひと時を。

◆ 学生の努力を称える

4年目のスタートとなる4月・5月を終えて4年目のスタートとなる4月・5月を終えて,港町キャンパスでは,第1期生の卒業研究も始まり,教育活動,研究活動,地域参画活動が全面稼働に入りました。いよいよ,エンジン全開でFCUの大学パワー発揮の段階を迎えています。そんな中,開学以来5月の恒例行事になっているのが学生表彰。学業・学術分野と社会・文化活動分野で,顕著な業績を残した学生を称える制度で,今年は2~4年生10名ずつ,計30名が学部長表彰を受けました。学生の努力とその成果に目を向け,励まし,称え,さらなる躍進に向けてエールを送る。そんな大学における「Awards文化」を,FCUのキャンパスに根付かせていきたいと思います。

◆ 歴史に辿る「反学問」の系譜

若い世代に「学問」を施すことによる「役に立たない人材」育成の指摘は,途切れることのない指摘です。若い世代に「学問」を施すことによる「役に立たない人材」育成の指摘は,16世紀末のモンテーニュの「エセー」に始まり,19世紀のショウペンハウエルの「読書について」に続く,途切れることのない指摘です。いずれも言わんとするところは,人間が現実の問題に直面して,自ら考え,自ら事に対処する能力は,「学問」や「読書」によっては養えないということを指摘しています。知識を生み出す「学問」が「学問」であるがゆえに持つ「無力」をどのように克服していくのか,「無力」な「学問」をとおして現実の社会に「役に立つ人材」をどう育成していくのか。今なお問われ続ける大学教育の不変のテーマのように思えます。


◆ 薔薇に溢れた5月の福山

5月17・18日の土・日は,福山の街は「ばら祭」で湧きかえりました。5月17・18日の土・日は,福山の街は「ばら祭」で湧きかえりました。「ばら祭」が近づくと,街の各所に市民の手によって手入れされた「ばら花壇」が満開に。今年の福山の街の薔薇は85万本と言われていますが,確かにこの1年間で薔薇の花が随分と増えたというのが実感です。この調子で増え続けば,福山市が市制施行100周年を祝う2年先には「100万本のばらの街」も達成確実,そんな予感が漂います。「ばら祭」を楽しむ市民のくつろいだ笑顔や「ばら祭」のフィナーレを飾る福山の子どもたちの明るい姿に,この街の確かな未来を感じる「ばら祭」でした。

◆ ロッカーも満杯に

新学期が始まって3週間。新学期が始まって3週間。1年生から4年生まで揃っての初めての4月でした。開学時に準備した1,122個の学生用ロッカーもほぼ満杯。学生食堂は大丈夫? 自転車置き場は大丈夫?と,4学年が揃う完成年度の4月を少し心配しましたが,混乱もなく,無事開学4年目のスタートを切ることができました。4月23日には教員・職員80名が集合し,開学4年目の課題への取組に向けて,結束を固め決意を新たにしました。来年3月にはFCU第1期生を,自信をもって社会に送り出す。これに向けて,全ての教職員が全力を尽くす。そんな1年をめざしたいと思います。

◆ 都市のブランド力

ブランド商品といえば,確かにそう呼んでよいものが世の中にはあります。ブランド商品といえば,確かにそう呼んでよいものが世の中にはあります。信頼ブランドというものも,確かに社会には存在しています。マーケッティングの世界で,銘柄を示す言葉であったブランドの考えが,さまざまの分野に広がってきています。ブランド力の向上に取り組むブランディングは,大学の世界でも当たり前になってきています。今,福山市では「福山市都市ブランド戦略」を策定して,21世紀の新しい都市づくりに挑戦しようとしています。FCUも大学ならではブランディングを通して,その一翼を担っていきます。


◆ 若葉に誘われて

あわただしい年度末と年度初めを過ごして,気が付いてみると4月も終わり。あわただしい年度末と年度初めを過ごして,気が付いてみると4月も終わり。今年は,せっかくの桜の花も見ずじまいだった。そんな気がして,連休になるまでにと,いつもの海の見える藤棚に,その様子を見に行きました。そこには紫と白の見事な藤の花の房,房,房,・・・。暖かい日差しのなかで,熊蜂が群れをつくって藤の花に戯れる様子は,もう一つの日本の遅い春。風薫る瀬戸内の緑と海を,独り占めしているようなひさしぶりの休日でした。

◆ 開学3年目を振り返って

FCUの3年目は,学生数も786名となり,大学の形が大きく整っていく年となりました。 FCUの3年目は,学生数も786名となり,大学の形が大きく整っていく年となりました。授業においては,両学部併せて300を超える授業科目の大半が開講され,教育活動・研究活動・地域連携活動のいずれにおいても,学生・教職員ともに,とても忙しく活動的な1年を過ごしました。

 学生たちは,FCUの大学づくりの担い手として,7月のオープンキャンパス,11月の大学祭「港輝祭」に取り組み,3年目もこれらキャンパス・イベントは,学生活動のハイライトとなりました。また,学生サークルの新たな結成もあり,合わせて44の学生サークルが多彩な活動が展開し,その活動内容にもめざましいレベルアップが見られました。

 さらに,年間を通じて学生たちによる地域参画や地域貢献活動も活発に展開され,なかでも地域の保育所・学校・施設での実地体験,地域の子どもたちを対象にした各種の企画,まちづくりや地域イベントへの参画,英語プレゼン・コンテスト,ビブリオバトル首都決戦出場等,個性と知性に溢れる学生による多彩な活動が展開されました。

 授業では,両学部で専門ゼミが開講され,卒業研究に繋がる専門的な課題への取組みが始まるとともに,「キャンパスは街,学ぶのは未来」のスローガンのもと,学外でのフィールド調査や実践活動を含む演習科目も実施されました。また,教育学部では福山市内の84の小学校,幼稚園,保育所等の協力を得て,合わせて8つの学外実習が6月半ばから夏休みを挟んで11月の下旬まで続きました。参加した延べ319名の学生たちは,それぞれに貴重な現場体験・職業体験を持ち帰り,将来に向けての自覚を高める機会となりました。

 一方都市経営学部では, 米国アラスカ大学フェアバンクス校で7月6日から2週間,環境開発実習(アラスカ実習)を実施したのに続いて,市内26の企業と福山市の協力を得て8月半ばからひと月半,企業・行政実習(インターンシップ)を実施しました。アラスカ実習には49名の学生が,インターンシップには63名の学生が参加して,それぞれの将来に繋がる大きな成果を上げることができました。また,県東部4大学連携プログラム「国際経営における人材の育成と備後企業の取り組み」には,社会人に交じって30名の学生が参加し,また16名の学生がベトナムでの海外研修にも参加しました。

 このような取組を通して,「世界に目を向け,世界に繋がる大学」FCUならではの海外への高い関心とともに,「何事も本気でやる,やるからにはハイレベルのことをやる,世界を視野においてやる,そして確実に成果を出す」という学生の気風が,一歩一歩,育ち根付いてきているように感じられます。また,学生たちは,自らの手で獲得した確かな成長を手がかりに,卒業後の自立に向けて,それぞれの目標をこれまで以上に鮮明に描き始めています。FCUの学生にとっては,これからも「自らの道を,自らの力で切り拓いていく大学生活」が続きます。卒業を迎える開学4年目を前に,一段と高い目標に向かって,さら大きく逞しく成長していくことを期待したいと思います。

◆ 開学4年目(完成年度)を展望して

この春,FCUでは第4期生を迎えて,1年生から4年生までが揃う大学完成の年となります。 この春,FCUでは第4期生を迎えて,1年生から4年生までが揃う大学完成の年となります。第1期生にとっては,大学での学びの仕上げの年となり,十分に身に付いたもの,さらにこれからというものを見極めながら,自信をもって社会に出て仕事に就くための総仕上げに取り組むことになります。

 そのような取組のひとつが,各研究室にわかれて指導教員のもとで取り組む卒業研究です。卒業研究は,4年間の学びの集大成であり,卒業論文の作成・発表に至る1年間にわたる取組を通して,独創性のある新しい「知」を生み出すためのプロセスを体験し,これによって生涯にわたって自らの拠り所となる高度な知的能力を身に付けていく機会としていきます。どのようなテーマに挑戦し,どのような水準の卒業論文が作成されるのか,その成果が楽しみです。

 大学にとって完成年度最大のテーマは,いうまでもなく第1期生の就職です。学生たちは,この3年間,講義やゼミはもとより,様々な課外の活動や実践をとおして自らの将来を見つめ,自らの職業ビジョンを深めてきました。FCUでは,このような学生の取組みを,大学を挙げて支援してきました。その成果は,着実に実ってきています。どの学生にとっても,就職は人生の大きな選択。であればこそ,悔いのない職に就き,FCUから夢に向かって人生の第1歩を踏み出してもらいたい。FCUでは,全教職員が 学生が思い描く一人ひとりの将来に関心を持ち,学生自らが持つ力を信じながら,それぞれの就職を実らせていく。すでに始まっているそんなキャリアサポートを,これからも全学挙げて展開していきたいと思います。

 来年の3月,素晴らしい力量,素晴らしい個性を備えたFCU第1期を世に送り出し,これによって地域から評価され,社会から信頼される大学としてFCUを見事に完成させる。これを目標に,この4月から全教職員が力を合わせて開学4年目の取組みを進めていきたいと思います。

◆ 地域の学校・企業に支えられて

6月から続いた今年の学外実習が,11月後半にほぼ終了しました。6月から続いた今年の学外実習が,11月後半にほぼ終了しました。11月26日には,「企業・行政実習」(インターンシップ)参加者63名全員による報告会も開催され,あとは県東部4大学連携で今年から始まった「ものづくりグローバル人材育成事業」のタイ・バンコクでの海外企業実習を残すのみ。本学からは,都市経営学部学生10数人が参加します。11月の末には,来年度の教育・保育実習の実施に向けて,受入機関代表の皆さんと実習のあり方を巡って熱い意見交換を行いました。来年度も実り多い学外実習の成果を期待したいと思います。

◆ 開学3年目,年の瀬のFCU

12月に入って2日から第4学期の授業開始。12月に入って2日から第4学期の授業開始。教員も学生も大忙しの中,学内行事がメジロ押し。4日には教員が授業能力を高めるためのFDワークショップ,翌5日には学生・教職員の危機管理能力を高めるための防災訓練,6日は推薦入試等の合格発表,18日には今年の重点研究14件の成果を確かめる中間発表会。このあと年明けの1月18・19日に実施されるセンター試験に向けて,26日の説明会・予行演習へと続きます。忙しさが続く中,大学の業務が着実に,また確実に廻り始めていることが実感できるFCU開学3年目の年の瀬です。

◆ 続く福山のまちづくり

福山のまちをどうしていく?福山のまちをどうしていく?これは,福山の人々が口にする日常的なテーマの一つです。我がまち福山,我がふるさと福山への愛着がとても強い福山では,学校で,職場で,自治会の会合で,街の飲み屋で,人それぞれの福山が語られている。そんな雰囲気がまち全体にあります。住みよいまちづくり,安全安心な街づくり,協働のまちづくり等。市が打ち出す施策を,いかに住民の手によるまちづくりに繋ぎ,広げていくのか。FCUも,その一翼を担いながら,大学ならではの30年・50年先のまちのビジョンを探求していきたいと思います。