Undergraduate and Graduate school
教員紹介
「自由な思考・学問の場」として大学を存分に利用して、
既存の価値判断にとらわれない「知」と「想像力」を鍛えられることを期待しています。
名前 | 桑田 学(くわた まなぶ) | 担当授業 |
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職位 | 都市経営学部学部 都市経営学科学科 准教授 | ||
学位 | 博士(学術) | ||
専門分野 |
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近代ヨーロッパとともに成立した「市民社会」の思想は,同時に,「世界史」という思想の成立をも意味した。この「世界史」という思想は,「未開」から「文明」への「進歩と発展」という観念にしたがって,地球の多様な諸民族・諸文化を時間軸上に序列づけ,「進んでいる/遅れている」という価値づけを生み出し,「ナショナリズム」とも接合しながら,「進んだ文明」諸国による「遅れた未開」諸地域の植民地支配を正当化するイデオロギーとなった。本講義では,近現代ヨーロッパの諸制度とその根底にある思想とを,「世界史」の視点から捉えなおし,世界戦争以後,それらがどのような限界に直面し、批判的に問い直されてきたかを考えていく。
私たちが自然科学と呼ぶ学問分野は,古代ギリシアにおける自然哲学との連続と切断を含みながら,近世ヨーロッパでの科学革命を経て急速な発展を見せ,現代の技術文明の基礎となっている。同時に近現代の科学/技術は,核戦争や公害・環境破壊などに端的に現れるように,それ自体が大きな社会的災厄とリスクの淵源とも考えられるようになっている。そもそも科学/技術は社会構造や私たちの価値意識とどのように関係しているのだろうか。本講義では,科学史・科学哲学・科学社会学の成果に学びながら、「科学知」と「技術知」の成り立ち,その方法的特質と限界,そして科学技術と社会とのあるべき関係について多角的に考えていく。
近代ヨーロッパ社会は、17世紀の近代市民革命とともに生まれた、「自由で平等な個人」によってつくられる「市民社会」という「理念」と「制度」をその土台として成立したが、とりわけ18世紀以降、資本主義的な市場経済の拡大とともに、前近代的な身分制社会とは異なる新しいタイプの「社会的分断」(階級格差・大衆貧困問題)や、急速な都市化・産業化による労働環境や自然環境の荒廃など、多くの矛盾や軋轢をその内部に抱え込んできた。本講義では、こうした近代資本主義社会が孕む矛盾をめぐる論争史(18~20世紀)を、とくに①労働と福祉の変容、②市場と権力との関係の変容という視点から読み解いていく。これを通して、現代社会が抱えている社会問題(労働・貧困・福祉)の歴史性について学問的理解を深めていくことを目指す。
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