福山市立大学
本文へ移動

キャンパスレポート

Campus Report

5月19日:教育研究交流センター公開講座(国際交流) 「格差社会における中国の流動児童の教育現状と課題-北京の例を中心に-」を開催しました。

2017年5月24日

2017051901 2017051901

 5月19日(金),元中国北京師範大学教育学部教授の張燕先生による公開講座を開催しました。(通訳は,本学教育学部の劉郷英教授が担当)
 張燕先生は,北京市在住の農民出稼ぎ労働者家庭に対する育児支援組織である『四環遊戯グループ』の創始者であり,これまでの取り組みを紹介されました。
 中国では,1980年代以降,改革開放政策により市場経済システムへの転換が行われ,経済の高度成長とともに,幼児教育も大きな発展を成し遂げました。しかし,農民出稼ぎ労働者が都市部に移動し,その子どもたち=「流動児童」の教育や医療などの課題が新たに現われてきました。
 張燕先生たちは『四環遊戯グループ』を立ち上げ,(四環総合農産物市場で生活している)子どもたちに,遊ぶことから"ことば"や"社会性"などの規則的な生活習慣を身につけさせ,同時に保護者には育児に対する自信をもたせ,地域の人たちやボランティアの人たちと互いに助け合い教育していくことを実践してこられました。
 保護者は,子どもたちのために手づくりのおもちゃを作り,遊びを考える,また,大学生ボランティアも教育実践の場として社会貢献しながら,フィールド研究の場として活用しています。先生は,農村地域の人たちも自分たちの文化の良さを生かすことが重要であり,本物の教育とは自信を持つことと話されました。
 最後に,「みんなが力を合わせて,子どもの権利・社会保障を改善していけば,自ずと社会は発展します。」と述べられました。

このページのトップへ