福山市立大学
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キャンパスレポート

Campus Report

「女性と政治:女性の参加で政治は変わる―ジェンダー・ポリティックスの視点から―」

2017年6月20日

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 教育研究交流センター公開講座「知の深化シリーズ」①として,6月17日(土),北翔大学前学長の相内眞子名誉教授による公開講座を開催しました。
 「202030」。2015年8月,女性管理職の割合に数値目標を義務づける「女性活躍推進法」が成立しました。女性の積極的登用を成長戦略の重点として掲げており,2020年までに30%を目標とするものです。それでは政治の場ではどうか。相内名誉教授は,「ジェンダー・ポリティックスとは,政策課題,政策志向,政策の優先順位,政党支持などにジェンダーによる違いがあるかを調査・分析する」ことで見えてくるものを,日本やアメリカ合衆国の事例を中心に講演されました。
―政治の政策決定の場に女性が少ないのか。
 女性国会議員(下院)比率ランキング(2017年5月1日現在)を見ると,193か国の平均は23.4%で,日本は9.3%(164位)。原因として,女性は内,男性は外という伝統的な性別役割規範があること,女性の社会的進出に対する価値観が閉鎖的であること,小選挙区制度の特徴として現職が強く,新人の女性候補が当選しにくい傾向にあると説明されました。(因みに広島県議会は64人中4人,福山市議会も40人中4人の女性議員です。)
―女性議員を増やすにはどうすればよいか。
 女性を優先的に支援・当選させる仕組み=ポジティブ・アクションの導入や女性の候補者・議席割り当てを行うジェンダー・クオーター制度の採用が必要であり,また育児代行など女性が社会進出しやすいように環境整備することも大事であると述べられました。
―女性議員が増えれば何が変わるのか。
 議会は男性だけのものではないというジェンダー・イクオリティ(性の平等)が浸透していき,そして女性の視点で政策形成していく違いによって,日常生活にも変化が現われてくると述べられました。
 終わりに,相内名誉教授から「政治の世界全般で「202030」の実現は難しく,住民にとって身近な地方政治から変わっていく可能性が高い。」と締めくくられました。

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