福山市立大学
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キャンパスレポート

Campus Report

中大連携事業:「SDGs福山版」に向けたパネルディスカッションとワークショップを開催しました。

2018年11月28日

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 2018年11月2日,本学において,福山市立東中学校と本学の協働の下,同校3年生140名による「SDGs福山版に向けたパネルディスカッション」が行われました。これは,5月末に本学で同校と開いた「SDGs福山版に向けたワークショップ」のフォローアップという位置付けです。5月末には福山市が優先すべきSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)を検討しましたが,今回は,発展させて,SDGs達成に向けた取組を競うことを目的としました。
 パネルディスカッションは生徒がすべて役割を分担して行いました。まず冒頭で司会者が論題「福山市でのSDGs達成に一番効果があるのはどの取組か」を説明した後,各クラス代表である4チームが,福山市でのSDGs達成に効果的と考える以下の4つの取組みを,グラフや表を使って具体的に説明(立論)しました。

〇福山で再生エネルギーをもっと使おう
〇福山で必要最小限のエネルギーを使い,健康的に暮らそう
〇福山でもっと,もっとリサイクル
〇地元の小さな店で買い物をしよう

 司会者が立論を整理した後,各チームは作戦タイムの中で質問や応答について考え,チーム相互で「なぜ?」,「その根拠は?」,「本当にできますか?」など丁々発止の質疑応答を行いました。そして,司会者が質疑応答の整理をし,次の全体討論では,フロアからはパネリストに対して生徒や本学学生からの鋭い質問が出ましたが,各チームともデータや根拠をもとにうまく答えていました。終わりには,最終立論係が最後の反論(最終立論)をし,大学教員と司会者がそれぞれパネルディスカッションの講評とまとめを行いました。
 パネルディスカッションでは「いかに人の行動様式を変えるか」ということが焦点の1つになりましたが,そこではルール設定や強制ではなく,いかに説得して分かってもらうか,という民主主義の考え方が基本になっていて,大変感銘を受けました。将来を担う中学生が相手の意見や立場を尊重しながら真剣に取り組む討論を見て,明るい日本の将来を見た気がします。

 また,翌週の11月8日には,福山市立培遠中学校において,同校と本学が協働し,「総合的な学習の時間・道徳」の枠の中で,「SDGs福山版に向けたワークショップ」が開かれました。本ワークショップは,ユネスコスクール加盟の申請を予定している同校と本学が協働し,未来を担う中学生がSDGsの17目標を培遠学区の目線で見た場合に,どの目標を優先すべきかを考える機会としたものです。多くの保護者の方々が見守る中,事前に十分学習を積み重ねた3年生37名と本学学生がグループに分かれ,同学区の持つ課題とSDGsをつなげる作業をし,高齢者のケアと目標11(持続可能な都市)などが重要な課題として認識されました。

 なお,7月にも,福山市立至誠中学校と鷹取中学校を対象に同様のワークショップが行われました。

(参考)  本学は,2015年より,ユネスコスクール支援大学間ネットワーク(ASPUnivNet)加盟全国20大学の1つとして,福山市や尾道市の小学校・中学校・高等学校のユネスコスクール加盟や活動を支援してきています。特に,福山市は,市立小学校・中学校・高等学校全113校のユネスコスクール加盟を目指しています。
 ユネスコスクールとは,ユネスコ憲章に示された理念を学校現場で実践し,地球規模の諸問題に若者が対処できるような新しい教育内容や手法の開発,発展を目指すことを目的としており,現在はESD(Education for Sustainable Development:持続可能な開発のための教育)やSDGsが中心の概念となっています。2018年10月現在,世界182か国に約11,500校,日本に1,116校あります。福山市内では,これまで小学校10校,中学校2校,中高一貫校2校,高校2校が加盟済です。
 ユネスコスクール申請に際しては,準備期間としてのチャレンジ期間が1年間設けられており,その間に実績を積む必要があります。これまで各校の支援を行ってきましたが,各校の一番の悩みが,ユネスコスクール認定の要件に沿った実績の可視化です。ESDに比較してSDGsは目標17,ターゲット169と枠組みが明快なため,実績の可視化に適していると考えており,ユネスコスクール申請に必要な要件につながるとして,ワークショップやパネルディスカッションを通してSDGs学区版の作成を進めています。
(ASPUnivNet本学窓口:都市経営学部教授 上別府隆男)


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