福山市立大学
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在学生・教職員の方

For The Student And The School Personnel

「第57回中・四国保育学生研究大会」へ参加しました。

INFO 2016年12月12日

みんなちがうけど みんななかよし

中・四国保育学生研究大会

「異文化 通じ合う喜び ~フランスとの交流をもとに~」
(朝日新聞2016年12月11日備後・広島版にも研究の背景・学生インタビューが掲載)

 12月3日(日)、環太平洋大学(岡山市)で開催された第57回中・四国保育学生研究大会(中・四国保育士養成協議会主催、1400人以上が参加)にて、教育学部保育コース2年生50人と教育コース1人(「保育内容(表現A)」履修者)が研究発表を行いました。本学としては開学以来五年連続の参加、福山市立女子短期大学以来の伝統を継承する発表は、講評にてテーマの普遍性と全員の表現技術(手話・身体表現・歌)の高さが高く評価されました。
 本学では、1年次開講科目「運動・身体表現Ⅰ(基礎)」「運動・身体表現Ⅱ(応用)」の中で、発達段階に応じた表現教材を数多く実践的に学び、2年次開講科目「保育内容(表現A)」で子どもの発達との関係を領域横断的に考察しながら総合的な表現指導法を学習します。
 2015年秋、本学の交流協定校パリ・エスト・クレテイユ大学の教育学部学生たちが福山市立大学を訪問し、「運動・身体表現活動Ⅱ(応用)」授業に加え、11月3日の学外実践(「ふくやま子どもフェスティバル」におけるカッチンくん工作テント運営と平和紙芝居・てあそび・歌の発表)にも参加しました。フランス人学生が日本の幼児たちを一生懸命援助しようとしている姿、完成した時に子どもとともに喜ぶ姿に触れ、一緒に活動する中で幼児と関わる専門職を目指す共通の思いを持った仲間として、強い連帯感を共有したのです。
 ところが彼らが帰国した直後、パリは悲劇的なテロに襲われ、私たちは遠い地にいる友人たちの身を案じ、無事を祈りました。一緒に活動した時間は短くても、子どもたちを喜ばそうとともに努力しともに笑いあった彼らとは、友情で結ばれており、国は違えど、言葉は違えど、共通の目標を目指して精進する仲間がフランスにいるのです。私たちは彼らが本学で研修を行ってくれたおかげで、人間として大事にしたい様々な心情を学ぶことができ、その過程を教材化したいと考えました。
 その人の背景となる文化を互いに尊重することでわかりあえる、子どもの頃からその嬉しさを体験してほしい。違いに心を閉ざし排除するのではなく、違いに興味を持ち通じ合える喜びを、また共通性を見出した時の喜びを感じてほしいと願い、この教材を作成しました。大人になった時、子どもの頃異文化の友人と育んだ友情が、やがて異文化衝突の抑止力となることを信じて。
♪ともだちになるために ひとはであうんだよ♪
 本学の発表には分散する各会場から続々と見学者が集まり、大勢の立ち見を含む保育学生と先生方を前に、前日フランスから届いたメッセージ「この地球上に最も大切なもの、それは人々の心に培われた友情。あなたたちはその価値あるものを伝える大使」という言葉を胸に、研究発表を行いました。学生たちは表情も豊かに見事に表現し、特に力を入れてきたフランス語の遊び歌・手話付の合唱では、美しい歌声が会場を包み込み、思わず口ずさんだり真似したりする客席とともに一体化したものとなりました。立ち見で見学する最後列の人まで届けようと学生たちは心を込めて語り、歌いました。退場の時、会場からは鳴りやまない拍手・感嘆の声と共に「感動した」「さすが」という声があちこちで聞かれました。
 講評では、「異文化交流を経験したからこその大きなテーマに挑み、子どもの未来につながる、つなげようとする強い意識を感じた。この意識を持って保育者となられるとは頼もしい限り」「大きな口を開けてはっきりとしゃべり、ステージの隅々まで一人一人が指先・足元まで意識しているのは素晴らしい」と、研究内容と表現技術の質の高さをほめていただきました。参加大学の中には、「福山市立大学の発表だけは見るように」と学生に指示が出るところもあります。
 他養成校はこの保育学生研究大会にゼミで年間通じて取り組んだり、クラブ活動で毎日練習して臨んだりしますが、本学は実質的に3学期の授業(週1回)を中心に履修者全員が力を合わせて取り組みます。学内的にきわめて忙しい10・11月、学生たちは密度の濃い話し合いと練習を重ね、一致団結して意識と質の高い研究発表を成し遂げました。本学の学生たちは全員、それぞれの表現で最高の輝きを放ち、会場中が有意義な時間・空間を共有できました。
 見学参加した保育コース3年生2名も2年生がベストコンディションで臨めるよう、様々な場面において臨機応変に動いてくれました。昨年研究発表を経験した立場から、そのアドバイスは的確で発表直前まで指導的役割を立派に果たしていました。発表者だけでなく、参加した学生全員の大きな成長を感じることができ、この研究大会への参加が学生にとって大きな教育効果をもたらしているといえます。
 今回の研究発表に際しては、パリ・エスト・クレテイユ大学のアニー・ブーディエ先生他5人の学生さんたち、歌の指導をしてくださった平本弘子先生、本学教職員の方々、先輩・後輩の支援のおかげで学生たちは持っている力を存分に発揮することができました。仲間と力を合わせて研究発表をやり遂げた今、学生たちは感謝の気持ち・達成感・充実感を有しながら、更なるステップアップを目指しています。この貴重な経験を糧にさらに保育者・教育者としての力量を伸ばしてほしいと願っています。

<研究発表学内上映会>(2016年12月6日)
 研究発表の達成感も冷めやらぬ6日、学内で研究発表映像の上映会が行われ、稲垣学長はじめ多くの教職員・1~4年生が参加して当日の様子を鑑賞しました。稲垣学長からは、「学生が研究の成果を持ち寄り交流するのは珍しく、保育者養成の特長」「保育学生がきちんと表現教育を受けているのは日本独自のシステムかもしれない」として、この研究大会の意義を高く評価されました。本学の国際交流が結実したこの研究発表、学長が「ぜひフランスの学生たちにも見てもらいたい」と指摘されたように、発表した学生たちも同じ気持ちを抱いていました。
 3・4年生はこれまで自分たちが行ってきた研究発表の伝統を2年生が継承してくれていることを嬉しく感じるとともに、時代に即したテーマ設定や教材研究の工夫から学ぶことが大きかったようです。1年生は来年の自分たちの姿として、学習へのモチベーションがさらに高まる契機となりました。

当日の様子

中・四国保育学生研究大会   中・四国保育学生研究大会
外で確認、最後まで準備に余念がありません   フランス人の子たちは言葉がわからず不安そう
中・四国保育学生研究大会   中・四国保育学生研究大会
グー・チョキ・パーで何つくろう♪ エスカルゴ!!   パピヨン!!
中・四国保育学生研究大会   中・四国保育学生研究大会
ピアノ伴奏と共に、フランス語でやってみよう   À droite papier, à gauche papier
中・四国保育学生研究大会   中・四国保育学生研究大会
フランス語で一緒に歌おうよ、Frère Jaques!   Ding,Dang,Dong♪ Ding,Dang,Dong♪
中・四国保育学生研究大会   中・四国保育学生研究大会
会場の皆さんと一緒に輪唱   手話付で歌う♪ともだちになるために♪
中・四国保育学生研究大会   中・四国保育学生研究大会
きみと、きみと♪   会場に響き渡る素晴らしいハーモニー(歌「ともだちになるために」)
中・四国保育学生研究大会    
はじける笑顔、みんなよく頑張りました!    

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