福山市立大学
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在学生・教職員の方

For The Student And The School Personnel

「第59回中・四国保育学生研究大会」へ参加しました。

INFO 2018年12月18日

「がんばっているきみをおうえんしたい -ふくちゃんがおしえてくれたこと- 」


中・四国保育学生研究大会

 12月1日(土),山口学芸大学(山口市)で開催された第59回中・四国保育学生研究大会(中・四国保育士養成協議会主催,1100人以上が参加)にて,教育学部保育コース2年生53人(「保育内容(表現A)」履修者)が研究発表を行いました。本学としては開学以来7年連続の参加,前身である福山市立女子短期大学の時代から続く学生による研究発表は,地域学習を通して学習内容を発展させ再構成する教材の構想力と心に染み入る歌唱力が高く評価されました。
 福山市立大学には日本各地から学生が学びに来ているため,福山市内で行われる実習に際して子どもたちが育つ地域(福山)の生活文化について学習しておくことも大切です。1年次開講科目「運動・身体表現活動Ⅰ(基礎)・Ⅱ(応用)」や2年次開講科目「保育内容(表現A)」では,「二上りリズム」(福山の伝統芸能「二上りおどり」をもとにしたリズムあそび,ペットボトルの底を再利用した楽器「カッチンくん」を使用)や,福山市立動物園で動物の動きを観察し身体各部を駆使して表現する「動物なりきりあそび」など,地域研究から素材を活用する教材研究やその指導法の開発を実践的に学んできました。
 地域での教材研究の過程で,福山市立動物園のボルネオゾウふくちゃんの病気を知り,ゾウも結核にかかることや,治療のために獣医学や動物学などの知見を集め様々な努力がなされていることを知りました。そこで学生たちは,心身の発達著しい幼児期にこそ,全身を使った様々な動きやリズムを楽しみながら,子どもたちが生き物への興味を示し,様々な種類の生き物が個性豊かに精一杯生きていることを感じられる教材の開発に取り組んできました。「ふくちゃんの闘病する姿から,元気になってほしいという思いで応援している私たちも,ふくちゃんから勇気をもらっていた。同じ地球に生きる仲間として,身近な自然や生き物にもっと目を向けた行動を心掛け,子どもたちとともに,「命」について今後も考えていきたい。」(第59回中・四国保育学生研究大会発表要旨集p.83より抜粋)
 ♪ぼくらはみんないきている♪
 本学の発表には分散する各会場から続々と見学者が集まり,多くの観衆(保育学生と先生方)を前に,「楽しく笑顔でこれまでの学習成果を思い切り出し切ろう」という気持ちで,研究発表を行いました。学生たちはそれぞれの役割(こども,飼育員,獣医,動物たち)に見事になりきり,全員が一体となった自然な表現は「とても心地よいリズムの中で発表が進み,会場のみんな気持ちよい時間を過ごすことができた」と講評されるほどでした。
 当初制作が難航し苦労しましたが,他学部の学生も手伝ってくれた労作「ふくちゃん」が舞台に登場した時には,造形と演技のクオリティの高さに会場から大きな歓声が上がりました。他の動物たち(ペンギン,ニホンザル,サーバルキャット,トラ,ライオン,フラミンゴ,キリン)が,それぞれの特徴を生かした衣装(小道具)と動きで,各「動物リズム」を披露するたびに会場中が笑顔に包まれ,動物たちと一緒に体を動かしながら楽しい時間と空間を共有することができました。場面場面で驚きや笑いが起こったり拍手をしてくれたりする観衆の反応が,発表する学生たちの表現をさらに輝かせ,双方向で表現を通した心の通じ合い・共感を体験することができました。
 最後の「あしたははれる」の2部合唱では,ピアノ担当学生の心のこもった伴奏と美しい歌声が会場を包み込み心地よいハーモニーが響き渡りました。会場からの鳴りやまない拍手・感嘆の声と共に,終了後「カッチンくんでの手拍子と動きだけでここまで楽しい教材ができるとは!」「道具をたくさん使うのではなく,子どもの遊びは手と足の動きが基本という大切なことを再認識させてもらいました」と,この教材の意味を評価してくださる方々がおられました。
 ♪こえをあわせうたおう あしたははれる♪
 発表を見られた他大学の先生・学生さんからは,当日もでしたが時間がたってからも続々と,研究内容と表現技術の質の高さ,保育コース2年生の笑顔と連帯感に称賛の声が届いてきます。(以下,抜粋「やっぱり福山市立大学の発表はすごかった,と,うちの学生たちが言っています」「どの役の人もみんな素敵でした。」「色々なことがあったと思うけど,こんなに大人数がまとまってこれだけ素晴らしい発表ができるなんて皆さんの努力を称えたい」,「どこを切り取っても保育現場ですぐ使える教材ばかり,自分もやってみたい」「この人数で研究発表することに意味がある」)それまでの学習を総合的にまとめ,見ている保育学生が真似したいと思える教材を研究発表することで,「保育学生研究大会」ならではの学びにつながったと思います。
 他養成校はこの保育学生研究大会にゼミで年間通じて取り組んだり,部活動で毎日練習して臨んだりしますが,本学は実質的に3学期の授業を中心に履修者全員が力を合わせて取り組みます。学内的にきわめて忙しい10・11月,学生たちは密度の濃い話し合いと練習を重ね,苦労もありましたが,当日は一致団結して意識と質の高い研究発表を成し遂げました。協同的な教材研究の過程で,お互いの表現を認め合い他者の頑張りを理解し支えることも,保育者となる学びの中で必要なことであり,子どもたちとの関わりにも生かしていきたいと実感していました。
 輝きを放った学生たちは,「自分がやっていて心地よく,自然と心が踊っていた」「53人全員が自分の役割を果たし,認め合い高め合える仲間の存在が大切だと学んだ。この仲間との関係性を自信としこれからも頑張りたい」「反応が返ってくることがこんなに嬉しく楽しいと思っていなかった。人前に立つのが好きではなかった自分を変えてくれた」「この教材は命の大切さ,友達の大切さ,誰かのために何かしてあげることの大切さを見ている人に伝えるだけでなく,自分にとっても意味のある内容だった」「大勢で一つのことを成し遂げるのは簡単ではないが,切磋琢磨することの大切さなどそれを経験した人にしかわからないこともたくさんある。」「たくさん試行錯誤してより良いものを作り上げることの難しさと同時に,一人一人が頑張ったからこそ皆でやり遂げたときの大きな達成感と喜びを味わうことができた」「7期生が大好きだし,その一員でよかった。一生の思い出になった」「自分から動き出すことができた。残りの2年,もう一歩,そのまたもう一歩先へ行く」と,振り返っています(抜粋)。
 今回の研究発表に際しては,ふくちゃん治療の見学から制服等の貸し出しなど福山市立動物園の多大なる協力をいただきました。また,歌の指導をしてくださった平本先生,当日荷物番をしてくださったり学内リハーサル時に示唆をいただいたりした先生方,ヘルメット等物品を気持ちよく貸し出してくださった教職員の方々,警備員さん,多くの先輩・後輩たちの応援のおかげで,学生たちは持てる力を存分に発揮することができました。仲間と力を合わせて研究発表をやり遂げた今,学生たちは感謝の気持ち・達成感・充実感でいっぱいです。この貴重な経験を糧に,更なるステップアップを目指し,やがて社会に羽ばたく日に向けて社会人として,保育者としての力量を磨いていってほしいと願っています。(担当教員:大庭三枝)

当日の様子

中・四国保育学生研究大会   中・四国保育学生研究大会
<ふくちゃんの病気は結核だとわかります>
ふくちゃんを動物たちが応援します
  元気なニホンザルたちも
中・四国保育学生研究大会   中・四国保育学生研究大会
ネコ科の動物(サーバルキャット,トラ,ライオン)も   きれいな羽のフラミンゴも
中・四国保育学生研究大会   中・四国保育学生研究大会
首も足も長いキリンさん   ペンギンたちも,動物みんなふくちゃんを応援している
中・四国保育学生研究大会   中・四国保育学生研究大会
人間も動物も「ぼくらはみんないきている」(手話ダンス)   2部合唱「あしたははれる」♪「ともだちさ いつも いつまでも」
中・四国保育学生研究大会  
学生交歓会における大学紹介
会場の皆さんに「バラの花束あげましょう!」学生の笑顔付プレゼントに思わず周りもニコニコ
 

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