キャンパスレポート

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教育研究交流センター公開講座「子どもとその家族の生きづらさを理解しあえる社会の実現を目指して」を開催

公開講座の写真

 8月10日(土),神奈川県立こども医療センター新生児科部長の豊島勝昭さんをお招きし,公開講座を開催しました。
 神奈川県立こども医療センターは,テレビドラマ「コウノドリ」の医学監修をした病院で,豊島先生は新生児集中治療室(NICU)で行われる緊急医療についてドラマのシーンを交えながら話されました。
 先生から「障がいとは何か説明できますか?」と参加者に投げかけられました。NICUに運ばれてくる子どもは,早産の赤ちゃん,生まれつき病気を持った赤ちゃんやお産で調子の悪くなった赤ちゃんです。救命できても運動機能,脳などに何らかの影響が残る可能性があり,障がいや病気とともに生活することなど,家族に包み隠さず説明をされるそうです。病気を診ているのか,患者・家族を診ているのか,良かったのか悪かったのか・・・常に自問自答の繰り返しで,先生自身が教わることが多々あるそうです。
 NICUを出た(=卒業)ということは,家族で生活するスタートであり,卒業の日の喜びや想いを忘れず,色々な不安があっても前を向いて生きてほしいとエールを送っています。
 日本は世界一の医療的ケアの国として,世界で最も低い新生児死亡率や低出生体重児の高い生存率を維持しており,特に22週23週児の救命は非常に高い実績があります。しかし,救命後の予後への取り組みについては,これからの課題として考えなければなりません。また,近年は低出生体重児の増加傾向で,NICUのベッドは不足し,入院困難な状況にあります。
 豊島先生は,「私たち一人ひとりが誰かの障がいになっていませんか,ご家庭を病院にさせてはならない」と,家族ごと支えることができる医療の必要性を力説されました。