教育学部

教員紹介/吉長 真子

吉長 真子 (よしなが なおこ)

吉長 真子
  • 【職位】
    教育学部 児童教育学科 准教授
  • 【学位】
    修士(文学)・修士(教育学)
  • 【専門】
    教育史
  • (研究テーマ)
    近現代日本における産育と女性教育をめぐる政策・運動の実証的研究
  • 地域貢献活動情報
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 大学での学びには,「正解」はありません。さまざまな人との出会い,学問との出会いから,あなたの学生生活を創造してください。

担当授業科目

家族の歴史

 現代日本において家族が大きな変動の中にあることは確かであるが,それは「家族の危機」とか「家族崩壊」と一括して論じられるような単純な問題ではない。この授業では,家族と社会の関係が時代によって大きく変化し,それによって家族がもつ機能も,人々の家族に対する意味づけもまた変化することを,歴史的文脈に即して講義する。そして授業を通して,ごく限られた家族に関する自分の経験を相対化し,現代の家族にまつわる多様な問題にアプローチする際に必要となる基本的な視点を身につけることを目ざす。

教育原理

 この授業では教職を目ざす学生を対象に,教育の基本的な原理と制度について,歴史や思想と現代的な諸課題を関連づけながら講義する。授業の導入として,学生にはまず自らが経験してきた「教育」を相対化し,「教育」に対する先入観を疑ってみる作業を求める。そうして自らの教育観・学校観を問い直した上で,改めて教育に関する基礎知識を体系的に習得し,現代社会において学校や幼児教育が果たす役割や,現代の学校と教師が直面している問題について歴史的,社会構造的に理解し,考察できる力を身につけることを目ざす。

乳児保育I

 保育所や乳児院で乳児保育を担当する保育士として必要な理論,知識,技術の基本を学ぶ授業である。とくに「乳児保育(1)」の内容は,次の2点に重点を置く。

  1. 日本の乳児保育の変遷を知り,乳児を育てる家庭及び保育所を中心とする児童福祉施設の現状を確認しながら,現代社会の実態に即した乳児保育の意義と役割について理解する。
  2. 乳児期(3歳未満児)の発達過程を理解した上で,乳児保育に関わる配慮事項についての認識を深める。

産育文化史特論

 この授業では,妊娠・出産・子育てをめぐる意識と実態,そこに関わる政策・制度や運動の総体を産育文化ととらえ,その歴史的変遷と社会的な基盤,背景について考察する。その目的は,現代日本で「教育」と呼ばれている事柄を深くとらえ直すことにある。歴史のなかの,教育に関する意外性ある事実に触れ,思わぬ解釈に出会うことによって,固定観念に縛られない自由な発想と,目の前の現象を大きな文脈のなかで理解するために必要な知識の習得を目ざす。

略歴

平成元年3月 東京大学文学部 卒業
平成4年3月 東京大学大学院人文科学研究科
修士課程 修了
平成9年3月 東京大学大学院教育学研究科
修士課程 修了
平成12年3月 東京大学大学院教育学研究科
博士後期課程 単位取得後退学
平成12年4月 東京大学大学院教育学研究科 助手
平成19年4月 東京大学大学院教育学研究科 助教
平成23年4月 福山市立大学教育学部 講師
平成27年4月 福山市立大学教育学部 准教授(現在に至る)

主な著書・論文等

【著書】

  • 『生命というリスク 20世紀社会の再生産戦略 』
    (法政大学出版局,2008年,共著)
  • 『はじめて学ぶ乳児保育』
    (同文書院,2009年,共著)
  • 『よくわかる教育原理』
    (ミネルヴァ書房,2011年,共著)
  • 『論集現代日本の教育史 第4巻 子ども・家族と教育』
    (日本図書センター,2013年,共著)
  • 『現代家族ペディア』
    (弘文堂,2015年,共著)

【論文】

  • 「1910-1920年代の児童保護事業における母親教育
    -岡山県鳥取上村小児保護協会の事例から-」
    (『日本の教育史学』第42集,教育史学会,1999年)
  • 「1930年代における農村の産育への関心と施策
    -恩賜財団愛育会の事業から-」
    (『研究室紀要』第29号,東京大学大学院教育学研究科教育学研究室,2003年)
  • 「戦後岩手の農村保健運動における乳幼児死亡問題と嬰児籠(エジコ)
    -『岩手の保健』誌の分析から-」
    (『研究室紀要』第30号,東京大学大学院教育学研究科教育学研究室,2004年)
  • 「恩賜財団愛育会による愛育村事業の創設と展開
    -1930年代の農山漁村における妊産婦・乳幼児保護運動-」
    (『研究室紀要』第32号,東京大学大学院教育学研究科教育学研究室,2006年)
  • 「日本における〈子育ての社会化〉の問題構造
    -教育と福祉をつらぬく視点から-」
    (『研究室紀要』第34号,東京大学大学院教育学研究科教育学研究室,2008年)
  • 「恩賜財団母子愛育会主催『全国幼児教育指導者新保育講習会』の実施過程
    -戦後改革期における保育者再教育の一断面-」
    (『幼児教育史研究』第4号,幼児教育史学会,2009年)