福山市立大学
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3月3日(金):FD講演会が開催されました。

お知らせ 2023年3月28日

 福山市立大学では,教員の教授能力等の向上をめざして,毎年,研修の機会を設けて研鑽を重ねてきています。今回の講演会は,日本福祉大学社会福祉学部教授の田中優先生をお招きし,「地域連携PBLを通じた学生の学びと変容」というタイトルで講演していただきました。田中先生にはこれまでの地域志向型PBLの豊富なご経験を踏まえて,その可能性や課題についてお話いただき,本学教職員にとって大変有意義な時間となりました。
 講演では,先生が「地べたのPBL」と呼ばれる,地域志向型の課題解決型学習・教育を10年以上にわたって実践されてきた中で,参加した学生にどのような学びをもたらし,またどのような課題が見出されたのかという点について,理論・実践の両面から豊富な画像資料とともにまとめていただきました。その中では,「よそ者・若者」である学生が地域と協働することで多様な構成員からなる集団(アソシエーション)が生まれること自体が双方にとって価値のある活動になることが示唆されました。そして,環境や関係形成のきっかけ作りを教員の役割としながらも,学生の自主的な活動や地域から学生への働きかけが起こる中で,長い時間をかけて「弱い絆」や「場」が整えられていく様子が示されました。その中で,学生の地域に対する「思ひ」が醸成され,「地域公共人材」としての主体的な学びが深まっていくことを課題とともに教えていただきました。
 参加者からは「本学でも,地域とのつながりを大切にした地域貢献ができる取り組みの必要性を感じた。」「高校での探究学習がより一層推進されてきている中にあって,今後の本学における初年次教育の在り方を考えるうえでも参考になるところが多くあった。」などの感想が寄せられました。
 コロナウイルス感染症予防の観点から完全オンライン開催となりましたが,田中先生の冷静かつ熱い思いが伝わるご講演によって,「キャンパスは街」を標榜する本学における教育の質の向上について,今後もより深く学部横断的に考えるきっかけを与えていただきました。

【注】FD(ファカルティー・ディベロップメント)とは,大学教員が教授能力等の向上を目指して取り組む組織的な研修活動のことです。

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