○公立大学法人福山市立大学研究活動不正行為防止規程

令和3年4月1日

公立大学法人福山市立大学規程第64号

目次

第1章 総則(第1条―第3条)

第2章 不正行為防止のための体制(第4条―第6条)

第3章 相談・告発の受付(第7条―第10条)

第4章 関係者の取扱い(第11条―第14条)

第5章 事案の調査(第15条―第25条)

第6章 不正行為等の認定(第26条―第31条)

第7章 措置及び処分(第32条―第37条)

第8章 補則(第38条)

附則

第1章 総則

(趣旨)

第1条 この規程は、研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン(平成26年8月26日文部科学大臣決定)に基づき、公立大学法人福山市立大学が設置する福山市立大学(以下「本学」という。)における研究活動上の不正行為の防止及び不正行為が生じた場合における適正な対応に関し必要な事項を定めるものとする。

(定義)

第2条 この規程において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 研究活動上の不正行為 故意又は研究者としてわきまえるべき基本的な注意義務を著しく怠ったことによる次の行為をいう。

 ねつ造 存在しないデータ、研究結果等を作成すること。

 改ざん 研究資料・機器・過程を変更する操作を行い、データ、研究活動によって得られた結果等を真正でないものに加工すること。

 盗用 他の研究者のアイディア、分析・解析方法、データ、研究結果、論文又は用語を当該研究者の了解又は適切な表示なく流用すること。

 二重投稿 同一内容とみなされる研究論文を複数作成して異なる雑誌等に発表すること。ただし、投稿先学術雑誌等の規定を満たし、二重投稿と解されない状態となったものは除く。

 不適切なオーサーシップ 研究論文の著者リストにおいて、著者としての資格を有しない者を挙げ、又は著者としての資格を有する者を除外すること。

 その他研究活動上の不適切な行為であって、科学者の行動規範及び社会通念に照らして研究者倫理からの逸脱の程度が甚だしいもの

(2) 研究者等 本学において研究活動に携わる者をいう。

(研究者等の責務)

第3条 研究者等は、研究活動上の不正行為その他不適切な行為を行ってはならず、また、他者による不正行為の防止に努めなければならない。

2 研究者等は、研究者倫理及び研究活動に係る法令等に関する研修等を受講しなければならない。

3 研究者等は、研究活動の正当性の証明手段を確保するとともに、第三者による検証可能性を担保するため、論文等の発表後、実験・観察記録ノート、実験データその他研究資料は原則として10年間、試料(実験試料及び標本)及び装置などの有体物については原則として5年間適切に保存・管理し、開示の必要性及び相当性が認められる場合には、これを開示しなければならない。

第2章 不正行為防止のための体制

(最高管理責任者)

第4条 学長は、本学における研究活動上の不正行為の防止等について、最終責任を負う者(以下「最高管理責任者」という。)として、研究活動上の不正行為が生じた場合には、次条に規定する統括管理責任者及び第6条に規定する研究倫理教育責任者と連携し、適切な措置を講じなければならない。

2 最高管理責任者は、前項に規定する責務を遂行するに当たり、不正行為防止の基本方針の決定及び不正行為に係る情報を受けたときの対応方針を決定する。

(統括管理責任者)

第5条 最高管理責任者を補佐し、本学における研究活動上の不正行為の防止等について本学全体を統括する実質的な責任と権限を持つ者(以下「統括管理責任者」という。)を置き、副学長(企画研究担当)をもって充てる。

2 統括管理責任者は、前項に規定する責務を遂行するに当たり、不正行為防止の基本方針に基づく研究倫理教育の実施計画の策定及び実施統括並びに不正行為に係る情報を受けたときの対応の統括を行うものとする。

(研究倫理教育責任者)

第6条 本学における研究倫理教育について実質的な責任と権限を持つ者(以下「研究倫理教育責任者」という。)を置き、各学部の長をもって充てる。

2 研究倫理教育責任者は、前項に規定する責務を遂行するに当たり、研究者等に対する研究倫理教育の定期的な実施及び受講状況の管理監督並びに研究倫理の指導を行うものとする。

第3章 相談・告発の受付

(相談・告発の受付窓口)

第7条 本学における研究活動上の不正行為に関する相談又は告発への迅速かつ適切な対応を行うため、事務局総務課に窓口(以下「受付窓口」という。)を設置するとともに、連絡先、受付の方法等を本学内外に周知するものとする。

(告発の受付体制)

第8条 何人も、研究活動上の不正行為の疑いがあると思料するときは、書面、ファクシミリ、電子メール、電話又は面談により、受付窓口に対して告発を行うことができる。

2 告発は、原則として、顕名により、研究活動上の不正行為を行ったとする研究者又は研究グループ等の名前又は名称、研究活動上の不正行為の態様その他事案の内容が明示され、かつ、不正とする合理的理由が示されていなければならない。

3 受付窓口の責任者は、事務局総務課長とし、匿名による告発については、統括管理責任者と協議の上、これを受け付けることができる。

4 受付窓口の責任者は、告発を受け付けたときは、速やかに統括管理責任者に報告するものとする。

5 統括管理責任者は、前項の規定による報告を受けたときは、速やかに最高管理責任者に報告するとともに、当該告発に関係する研究倫理教育責任者に、その内容を通知するものとする。

6 受付窓口の責任者は、告発が受け付けられたかどうかについて告発者が確認できない方法で告発があった場合には、告発が匿名による場合を除き、告発者に受け付けた旨を通知するものとする。

7 新聞等の報道機関、研究者コミュニティ、インターネット等により、不正行為の疑いが指摘された場合(研究活動上の不正行為を行ったとする研究者又は研究グループ等の名前又は名称、研究活動上の不正行為の態様その他事案の内容が明示され、かつ、不正とする合理的理由が示されている場合に限る。)は、統括管理責任者は、これを匿名の告発に準じて取り扱うことができる。

8 最高管理責任者は、受け付けた告発の内容について、理事長及び監事に報告するものとする。

(告発の相談)

第9条 研究活動上の不正行為の疑いがあると思料する者で、告発の是非や手続について疑問があるものは、受付窓口の職員に対して相談をすることができる。

2 告発の意思を明示しない相談があったときは、受付窓口の職員は、その内容を確認して相当の理由があると認めたときは、相談者に対して告発の意思の有無を確認するものとする。

3 相談の内容が、研究活動上の不正行為が行われようとしている、又は研究活動上の不正行為を求められている等であるときは、受付窓口の責任者は、統括管理責任者に報告するものとする。

4 前項の規定による報告があったときは、統括管理責任者は、速やかに最高管理責任者に報告するものとする。

5 前項の規定による報告に基づき、最高管理責任者は、その内容を確認し、相当の理由があると認めたときは、その報告内容に関係する者に対して警告を行うものとする。

6 最高管理責任者は、前項に規定する警告を行ったときは、理事長及び監事に報告するものとする。

(受付窓口の職員の義務)

第10条 告発の受付に当たっては、受付窓口の職員は、告発者の秘密の遵守その他告発者の保護を徹底しなければならない。

2 受付窓口の職員は、告発を受け付けるに際し、面談による場合は個室において実施し、書面、ファクシミリ、電子メール、電話等による場合は、その内容を他の者が同時及び事後に見聞できないような措置を講ずるなど、適切な方法で実施しなければならない。

3 前2項の規定は、告発の相談について準用する。

第4章 関係者の取扱い

(秘密保護義務)

第11条 この規程に定める業務に携わる全ての者は、業務上知り得た秘密を漏らしてはならない。職員等でなくなった後も、同様とする。

2 最高管理責任者及び統括管理責任者は、告発者、被告発者、告発内容、調査内容及び調査経過について、調査結果の公表に至るまで、告発者及び被告発者の意に反して外部に漏えいしないよう、これらの秘密の保持を徹底しなければならない。

3 最高管理責任者又は統括管理責任者は、当該告発に係る事案が外部に漏えいした場合は、告発者及び被告発者の了解を得て、調査中にかかわらず、調査事案について公に説明することができる。ただし、告発者又は被告発者の責めに帰すべき事由により漏えいしたときは、当該者の了解は、不要とする。

4 最高管理責任者、統括管理責任者又はその他の関係者は、告発者、被告発者、調査協力者又は関係者に連絡又は通知をするときは、告発者、被告発者、調査協力者及び関係者等の人権、名誉、プライバシー等を侵害することのないように、配慮しなければならない。

(告発者の保護)

第12条 各学部の長は、告発をしたことを理由とする当該告発者の職場環境の悪化や差別待遇が起きないようにするために、適切な措置を講じなければならない。

2 本学に所属する全ての者は、告発をしたことを理由として、当該告発者に対して不利益な取扱いをしてはならない。

(被告発者の保護)

第13条 本学に所属する全ての者は、相当な理由なく、単に告発がなされたことのみをもって、当該被告発者に対して不利益な取扱いをしてはならない。

(悪意に基づく告発)

第14条 何人も、悪意に基づく告発(告発者を陥れ、又は被告発者の研究を妨害する等、専ら被告発者に何らかの不利益を与えること又は被告発者が所属する組織等に不利益を与えることを目的とする告発をいう。以下同じ。)を行ってはならない。

2 悪意に基づく告発があったことが判明した場合は、当該告発者の名前の公表、公立大学法人福山市立大学職員懲戒規程(令和3年法人規程第42号。以下「職員懲戒規程」という。)による懲戒処分、刑事告発その他必要な措置を講ずることができる。

3 最高管理責任者は、前項に規定する処分が課されたときは、該当する資金配分機関及び関係省庁に対して、その措置の内容等を通知する。

第5章 事案の調査

(予備調査の実施)

第15条 第8条の告発があった場合又は統括管理責任者がその他の理由により予備調査の必要を認めた場合は、統括管理責任者は、予備調査の実施を最高管理責任者に報告するとともに、予備調査委員会を設置し、予備調査委員会は、速やかに予備調査を実施しなければならない。

2 予備調査委員会は、統括管理責任者が指名する3人以上の委員によって構成する。

3 予備調査委員会は、必要に応じて、予備調査の対象者に対して関係資料その他予備調査を実施する上で必要な書類等の提出を求め、又は関係者のヒアリングを行うことができる。

4 予備調査委員会は、本調査の証拠となり得る関係書類、研究ノート、実験試料等を保全する措置をとることができる。

5 最高管理責任者は、第1項の規定による報告を受けたときは、理事長及び監事に報告するものとする。

(予備調査の方法)

第16条 予備調査委員会は、告発された行為が行われた可能性、告発の際に示された科学的理由の論理性、告発内容の本調査における調査可能性その他必要と認める事項について、予備調査を行う。

2 告発がなされる前に取り下げられた論文等に対してなされた告発についての予備調査を行う場合は、取下げに至った経緯及び事情を含め、研究上の不正行為の問題として調査すべきものか否か調査し、判断するものとする。

(本調査の決定等)

第17条 予備調査委員会は、告発を受け付けた日又は予備調査の指示を受けた日から起算して30日以内に、予備調査結果を統括管理責任者に報告する。

2 統括管理責任者は、予備調査結果を踏まえ、直ちに、本調査を行うか否かを決定する。

3 統括管理責任者は、前項の規定により本調査を実施することを決定した場合は、速やかに最高管理責任者に報告するものとする。

4 統括管理責任者は、本調査を実施することを決定したときは、告発者及び被告発者に対して本調査を行う旨を通知し、本調査への協力を求める。

5 統括管理責任者は、本調査を実施しないことを決定したときは、その理由を付して告発者に通知する。この場合には、資金配分機関や告発者の求めがあった場合に開示することができるよう、予備調査に係る資料等を保存するものとする。

6 第3項の規定による報告を受けた最高管理責任者は、当該事案に係る研究費等の配分機関及び関係省庁に、本調査を行う旨を報告するものとする。

7 最高管理責任者は、第3項の規定による報告を受けたときは、理事長及び監事に報告するものとする。

(調査委員会の設置)

第18条 統括管理責任者は、本調査を実施することを決定したときは、速やかに調査委員会を設置するとともに、調査委員会の委員を最高管理責任者に報告する。

2 調査委員会は、次に掲げる委員をもって組織する。

(1) 統括管理責任者

(2) 研究倫理教育責任者

(3) 統括管理責任者が指名する者

3 調査委員会の委員の過半数は、本学に属さない外部委員でなければならない。

4 調査委員会の委員は、告発者又は被告発者と直接の利害関係を有しないと最高管理責任者が判断する者でなければならない。

5 第2項第1号の委員が直接の利害関係を有する者であると最高管理責任者が判断した場合には、最高管理責任者は、当該委員に替えて、他の副学長を委員に指名する。

6 第2項第2号の委員が直接の利害関係を有する者であると最高管理責任者が判断した場合には、最高管理責任者は、当該委員に替えて、当該委員の所属する学部の副学部長1人を委員に指名する。

7 委員長は、統括管理責任者をもって充てる。

(本調査の通知)

第19条 統括管理責任者は、調査委員会を設置したときは、調査委員会委員の名前及び所属を告発者及び被告発者に通知する。

2 前項の規定による通知を受けた告発者又は被告発者は、当該通知を受けた日から起算して7日以内に、書面により、統括管理責任者に対して調査委員会委員に関する異議を申し立てることができる。

3 統括管理責任者は、前項に規定する異議申立てがあった場合は、当該異議申立ての内容を審査し、その内容が妥当であると判断したときは、当該異議申立てに係る調査委員会委員を交代させるとともに、その旨を告発者及び被告発者に通知する。

(本調査の実施)

第20条 調査委員会は、本調査の実施の決定があった日から起算して30日以内に、本調査を開始するものとする。

2 調査委員会は、告発において指摘された当該研究に係る論文、実験・観察ノート、生データその他資料の精査及び関係者のヒアリング等の方法により、本調査を行うものとする。

3 調査委員会は、被告発者による弁明の機会を設けなければならない。

4 調査委員会は、被告発者に対し、再実験等の方法によって再現性を示すことを求めることができる。また、被告発者から再実験等の申出があり、調査委員会がその必要性を認める場合は、必要な期間、機器の使用等を保障し、その機会を与えるものとする。

5 告発者、被告発者及びその他当該告発に係る事案に関係する者は、調査が円滑に実施できるよう積極的に協力し、調査委員会の本調査に誠実に協力しなければならない。

(本調査の対象)

第21条 本調査の対象は、告発された事案に係る研究活動のほか、調査委員会の判断により、本調査に関連した被告発者の他の研究を含めることができる。

(証拠の保全)

第22条 調査委員会は、本調査を実施するに当たって、告発された事案に係る研究活動に関して、証拠となる資料及びその他関係書類を保全する措置をとるものとする。

2 告発された事案に係る研究活動が行われた研究機関が本学でないときは、調査委員会は、告発された事案に係る研究活動に関して、証拠となる資料及びその他関係書類を保全する措置をとるよう、当該研究機関に依頼するものとする。

3 調査委員会は、前2項の措置に必要な場合を除き、被告発者の研究活動を制限してはならない。

(本調査の中間報告)

第23条 調査委員会は、本調査の終了前であっても、告発された事案に係る研究活動の予算の配分又は措置をした配分機関等の求めに応じ、本調査の中間報告を当該資金配分機関等に提出するものとする。

(調査における研究又は技術上の情報の保護)

第24条 調査委員会は、本調査に当たっては、調査対象における公表前のデータ、論文等の研究又は技術上秘密とすべき情報が、調査の遂行上必要な範囲外に漏えいすることのないよう、十分配慮するものとする。

(不正行為の疑惑への説明責任)

第25条 調査委員会の本調査において、被告発者が、告発された事案に係る研究活動に関する疑惑を否定する場合には、自己の責任において当該研究活動が科学的に適正な方法及び手続にのっとって行われたこと並びに論文等が当該研究活動に基づいて適切な表現で書かれたものであることを、科学的根拠を示して説明しなければならない。

2 前項の場合において、再実験等を必要とするときは、第20条第4項の規定による保障を与えなければならない。

第6章 不正行為等の認定

(認定の手続)

第26条 調査委員会は、本調査を開始した日から起算して150日以内に調査した内容をまとめ、不正行為が行われたか否か、不正行為と認定された場合はその内容及び悪質性、不正行為に関与した者とその関与の度合、不正行為と認定された研究に係る論文等の各著者の当該論文等及び当該研究における役割その他必要な事項を認定する。

2 最高管理責任者は、合理的な理由があると認める場合は、調査委員会からの申出に基づき、前項に掲げる期間を延長することができる。

3 前項の申出は、延長を必要とする理由及び認定の予定日を明らかにしてするものとする。

4 調査委員会は、不正行為が行われなかったと判断する場合であって、告発が悪意に基づくものであると判断するときは、併せてその旨の認定を行うものとする。

5 前項の認定を行うに当たっては、告発者に弁明の機会を与えなければならない。

6 調査委員会は、第1項及び第4項に規定する認定をしたときは、直ちに最高管理責任者に報告しなければならない。

7 最高管理責任者は、前項の規定による報告を受けたときは、理事長及び監事に報告するものとする。

(認定の方法)

第27条 調査委員会は、告発者から説明を受けるとともに、調査によって得られた、物的・科学的証拠、証言、被告発者の自認等の諸証拠を総合的に判断して、不正行為か否かの認定を行うものとする。

2 調査委員会は、被告発者による自認を唯一の証拠として不正行為を認定することはできない。

3 調査委員会は、被告発者の説明及びその他の証拠によって、不正行為であるとの疑いを覆すことができないときは、不正行為と認定することができる。保存義務期間の範囲に属する生データ、実験・観察ノート、実験試料・試薬、関係書類等の不存在等、本来存在するべき基本的な要素が不足していることにより、被告発者が不正行為であるとの疑いを覆すに足る証拠を示せないときも、同様とする。

(調査結果の通知及び報告)

第28条 最高管理責任者は、速やかに、調査結果(認定を含む。)を告発者、被告発者及び被告発者以外で研究活動上の不正行為に関与したと認定された者に通知するものとする。被告発者が本学以外の機関に所属している場合は、その所属機関にも通知するものとする。

2 最高管理責任者は、前項の規定による通知に加えて、調査結果を当該事案に係る資金配分機関及び関係省庁に報告するものとする。

3 最高管理責任者は、悪意に基づく告発との認定があった場合において、告発者が本学以外の機関に所属しているときは、当該所属機関にも通知するものとする。

(不服申立て)

第29条 研究活動上の不正行為が行われたものと認定された被告発者は、通知を受けた日から起算して14日以内に、調査委員会に対して不服申立てをすることができる。ただし、その期間内であっても、同一理由による不服申立てを繰り返すことはできない。

2 告発が悪意に基づくものと認定された告発者(被告発者の不服申立ての審議の段階で悪意に基づく告発と認定された者を含む。)は、その認定について、前項の例により、不服申立てをすることができる。

3 不服申立ての審査は、調査委員会が行う。最高管理責任者は、新たに専門性を要する判断が必要となる場合は、調査委員の交代若しくは追加又は調査委員会に代えて他の者に審査をさせるものとする。ただし、調査委員会の構成の変更等を行う相当の理由がないと認めるときは、この限りでない。

4 前項に規定する新たな調査委員は、第18条第2項から第6項までの規定に準じて指名する。

5 調査委員会は、不服申立てを却下すべきものと決定した場合には、直ちに、最高管理責任者に報告し、統括管理責任者は、不服申立人に対し、その決定を通知するものとする。その際、その不服申立てが当該事案の引き延ばしや認定に伴う各措置の先送りを主な目的とするものと調査委員会が判断した場合は、以後の不服申立てを受け付けないことを併せて通知するものとする。

6 調査委員会は、不服申立てに対して再調査を行う旨を決定した場合には、直ちに最高管理責任者に報告し、統括管理責任者は、不服申立人に対し、その決定を通知するものとする。

7 統括管理責任者は、被告発者から不服申立てがあったときは告発者に対して通知し、告発者から不服申立てがあったときは被告発者に対して通知するものとする。また、その事案に係る資金配分機関及び関係省庁に通知する。不服申立ての却下又は再調査開始の決定をしたときも、同様とする。

8 最高管理責任者は、第5項又は第6項の規定による報告を受けたときは、理事長及び監事報告するものとする。

(再調査)

第30条 前条に規定する不服申立てについて、再調査を実施する決定をした場合には、調査委員会は、不服申立人に対し、先の調査結果を覆すに足るものと不服申立人が思料する資料の提出を求め、その他当該事案の速やかな解決に向けて、再調査に協力することを求めるものとする。

2 前項に規定する不服申立人からの協力が得られない場合には、調査委員会は、再調査を行うことなく手続を打ち切ることができる。その場合には、調査委員会は、直ちに最高管理責任者に報告し、統括管理責任者は、不服申立人に対し、その決定を通知するものとする。

3 調査委員会は、再調査を開始した場合には、その開始の日から起算して50日以内に、先の調査結果を覆すか否かを決定し、その結果を直ちに最高管理責任者に報告するものとする。ただし、最高管理責任者は、合理的な理由があると認める場合は、調査委員会からの申出に基づき、本文に掲げる期間を延長することができる。

4 前項の申出は、延長を必要とする理由及び認定の予定日を明らかにしてするものとする。

5 最高管理責任者は、第2項又は第3項の規定による報告に基づき、速やかに、再調査手続の結果を告発者、被告発者及び被告発者以外で研究活動上の不正行為に関与したと認定された者に通知するものとする。被告発者が本学以外の機関に所属している場合は、その所属機関にも通知する。また、当該事案に係る資金配分機関及び関係省庁に報告する。

(調査結果の公表)

第31条 最高管理責任者は、研究活動上の不正行為が行われたとの認定がなされた場合には、理事長の承認を得て速やかに調査結果を公表するものとする。

2 前項の規定による公表における内容は、研究活動上の不正行為に関与した者の名前・所属、研究活動上の不正行為の内容、本学が公表時までに行った措置の内容、調査委員会委員の名前・所属、調査の方法・手順等を含むものとする。

3 前項の規定にかかわらず、研究活動上の不正行為があったと認定された論文等が、告発がなされる前に取り下げられていたときは、当該不正行為に関与した者の名前・所属を公表しないことができる。

4 研究活動上の不正行為が行われなかったとの認定がなされた場合には、調査結果を公表しないことができる。ただし、被告発者の名誉を回復する必要があると認められる場合、調査事案が外部に漏えいしていた場合又は論文等に故意若しくは研究者としてわきまえるべき基本的な注意義務を著しく怠ったことによるものでない誤りがあった場合は、調査結果を公表するものとする。

5 前項ただし書の規定による公表における公表内容は、研究活動上の不正行為がなかったこと、論文等に故意又は研究者としてわきまえるべき基本的な注意義務を著しく怠ったことによるものではない誤りがあったこと、被告発者の名前・所属、調査委員会委員の名前・所属、調査の方法・手順等を含むものとする。

6 最高管理責任者は、悪意に基づく告発が行われたとの認定がなされた場合には、告発者の名前・所属、悪意に基づく告発と認定した理由、調査委員会委員の名前・所属、調査の方法・手順等を理事長の承認を得て速やかに公表するものとする。

第7章 措置及び処分

(本調査中における一時的措置)

第32条 最高管理責任者は、本調査を行うことを決定したときから調査委員会の調査結果の報告を受けるまでの間、被告発者に対して告発された研究費の一時的な支出停止等の必要な措置を講じることができる。

2 最高管理責任者は、資金配分機関から、被告発者の該当する研究費の支出停止等を命じられた場合には、それに応じた措置を講じるものとする。

(研究費の使用中止)

第33条 最高管理責任者は、研究活動上の不正行為に関与したと認定された者、研究活動上の不正行為が認定された論文等の内容に重大な責任を負う者として認定された者及び研究費の全部又は一部について使用上の責任を負う者として認定された者(以下「被認定者」という。)に対して、理事長の承認を得て直ちに研究費の使用中止を命ずるものとする。

(論文等の取下げ等の勧告)

第34条 最高管理責任者は、被認定者に対して、研究活動上の不正行為と認定された論文等の取下げ、訂正その他の措置を勧告するものとする。

2 被認定者は、前項の規定による勧告を受けた日から起算して14日以内に勧告に応ずるか否かの意思表示を最高管理責任者に行わなければならない。

3 最高管理責任者は、被認定者が第1項の規定による勧告に応じない場合は、その事実を理事長の承認を得て速やかに公表するものとする。

(措置の解除等)

第35条 最高管理責任者は、研究活動上の不正行為が行われなかったものと認定された場合は、本調査に際してとった研究費の支出停止等の措置を解除するものとする。また、証拠保全の措置については、不服申立てがないまま申立期間が経過した後又は不服申立ての審査結果が確定した後、速やかに解除する。

2 最高管理責任者は、研究活動上の不正行為を行わなかったと認定された者の名誉を回復する措置及び不利益が生じないための措置を講じるものとする。

(処分)

第36条 本調査の結果、研究活動上の不正行為が行われたものと認定された場合は、当該研究活動上の不正行為に関与した者に対して、職員懲戒規程に基づき処分を課すものとする。

2 最高管理責任者は、前項の処分が課されたときは、該当する資金配分機関及び関係省庁に対して、その処分の内容等を通知する。

(是正措置等)

第37条 統括管理責任者は、本調査の結果、研究活動上の不正行為が行われたものと認定された場合には、最高管理責任者に対し、速やかに是正措置、再発防止措置その他必要な環境整備措置(以下「是正措置等」という。)をとる必要があることを報告するものとする。

2 最高管理責任者は、前項の規定による報告に基づき、関係する学部長に対し、是正措置等をとることを命ずるものとする。また、必要に応じて本学全体における是正措置等をとるものとする。

3 最高管理責任者は、前項の規定によりとった是正措置等の内容を該当する資金配分機関、文部科学省及びその他の関係省庁に対して報告するものとする。

4 最高管理責任者は、是正措置等の報告を受けたときは、理事長及び監事に報告するものとする。

第8章 補則

(補則)

第38条 この規程に定めるもののほか、この規程の実施に関し必要な事項は、別に定める。

この規程は、令和3年4月1日から施行する。

公立大学法人福山市立大学研究活動不正行為防止規程

令和3年4月1日 法人規程第64号

(令和3年4月1日施行)

体系情報
法  人/
沿革情報
令和3年4月1日 法人規程第64号