福山市立大学
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地域連携・国際交流・研究

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地域連携ニュース

【大久保先生の学生探訪】第2回:角名和良さん(GISに関する学生報告で表彰)

2022年3月15日

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 大久保先生が本学の学生が行っている魅力的な活動を紹介する「大久保先生の学生探訪」。第2回目のお客様は都市経営学部4年の角名和良さんです。

 角名さんは昨年(2021年(令和3年))12月に開催された「GIS Day in 中国 2021」※1で学生報告を行い,表彰を受けました。
 発表テーマは,自身の卒業研究のテーマでもある「連携中枢都市圏を対象とした交通空白地域の空間分析」。GIS(地理情報システム)を使って複数のデータを可視化し,地図上に交通空白地(公共交通がない不便な地域)を浮かびあがらせ,その発生メカニズムまで明らかにしました。
 地域社会の持続発展を目的に全国で連携中枢都市圏※2が形成されていますが,角名さんの研究ではその中の6都市圏を対象にしています。角名さんはこれら都市圏の居住人口データや公共交通(バス停やJR路線)のデータを地図上に空間配置し,交通空白地を色分けして浮かび上がらせるとともに,土地利用データを用いて空白地が生じた要因を解析しました。分析の結果,交通空白地は過疎地域に生じるという仮説に加えて,「都市部(人口密集地)にも交通空白地ができていること」,「その空白地は,もともと工場があった場所が住宅地に転用され,次第に人口が増えていったなどの経緯があること」などが判明しました。

 角名さんは3月に卒業を迎え,4月からはGIS開発の企業に就職し活動場所を東京に移すことになります。今回の取材で,「GISのこれからの伸びしろは?」と聞くと,角名さんは「伸びしろしかないです!」と言い切り,「未来のスマートシティやコンパクトシティの開発に向けて都市データの3D化が進んでおり,GISの技術は欠かせないものになっている」と熱く語ってくれました。そして「まちづくりのコンサルティングに関わりたい」と抱負の述べる彼の姿に,GIS以上の伸びしろを感じました。

1 GIS DayGISの理解と利用促進,地域のGISコミュニティの創出・拡大を目的として,米国で開始された世界的な草の根運動。2013年から広島大学で「GIS Day in 中国」が毎年開催されている。

2相当の規模と中核性を備える圏域の中心都市が近隣の市町村と連携し,コンパクト化とネットワーク化により,人口減少・少子高齢社会においても一定の圏域人口を有し活力ある社会経済を維持するために形成されている都市圏。現在は全国に34圏域が形成されている。

図は岡山連携中核都市圏の交通空白地の存在場所と土地用途を可視化したGIS画像 

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