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【大久保先生の学生探訪】第6回:高橋美由さん,仲野廉平さん("食べるボランティア"を開催)

2023年1月12日

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"食べることがボランティア"って,どういうこと?

 2022年10月6日(木),福山市立大学学生食堂で「第1回食べるボランティア(食料配布)」が開催されました。この活動は,NPO法人フードバンク福山と連携し,企業等から寄贈していただいた「売り物として出せなくなった"まだ食べられる"食品・食材」を,大学生・大学院生に無償で配布するというものです。この活動を主催したのが,都市経営学部3年生の高橋美由さんと,それに協力した玉井ゼミのメンバーたち,同じく都市経営学部3年の仲野廉平さんを中心としたSDGsクラブのメンバーたちです。高橋さんはアルバイト先でフードロスの問題を目の当たりにし,自身が研究しているビジネスプランとこの社会課題の解決が結びつかないかと考えていました。一方,SDGsクラブ代表の仲野さんはコロナ禍で休止状態だったサークルの活動を立て直すべく,メンバーたちが打ち込める,求心力ある目標を模索していました。そんな2人が出会い,協力して取組みをスタートさせたのが「食べるボランティア」です。

 今回,第2回の取組みを企画しているという高橋さんと仲野さんから話を聴くことができました。

 

大久保先生:
 「食べるボランティア」とは,困っている人たちに食料配布を行うボランティア活動とは違うの?別の意味があるようですね。

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高橋さん :
 日々,日本でも多くの食料が廃棄され処分されています。処分とは完全に燃やし尽くすことで,膨大な燃料を費やしCO₂も排出していきます。そして,そのためのコストは税金で補われたり企業が引き受けたりします。廃棄に回されるまだ食べられる食料を配布するということは,提供を受ける人たちだけでなく,企業を含む多くの人にメリットがあり,環境を守ることになります。だから,このような食料を食べてあげることが実はボランティアそのものなんです。「フード受領者=生活困窮者,何かに困っている人」という捉え方によって,食料の提供を受ける人が肩身の狭い思いをしてるんじゃこの取組みは進みません。この取組みのポイントは「食べることがボランティアになる」という概念を浸透させることにあります。

大久保先生:
 なるほどっ!"食べることがボランティア"ですか。 既成概念が変わる良いフレーズですね。第1回の食料配布で手応えはありましたか?

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仲野さん :
 正直,準備段階では「成功しないのでは」と不安でした。実際,周囲の声も「賞味期限が切れそうなものを配るのはどうか?」,「まわりの目を気にして誰も取りに来ないのでは?」などがありました。でも蓋を開けたら,ものの30分で用意した食料がなくなりました。80人ぐらいの学生が来てくれて,アンケートも取ることができました。「助かる」,「定期的に開催して」などの回答とともに「今回の活動を理解し共感できます」というコメントもいただきました。

大久保先生:
 第2回の取組みを予定しているとのことですが,1回目と違った工夫がありますか?

仲野さん :
 今回は大量に在庫がある輸入食品の配布を依頼されています。この食品を使ったおいしい料理のレシピを開発して,それを添えた配布を考えています。

大久保先生:
 高橋さんは,この取組みをビジネスに転化していくことを考えているようですが,具体のプランがあれば教えて下さい。

高橋さん :
 例えば,学生に食料配布をする際に関係した企業の情報を渡し,SDGsに取り組むサスティナブルな企業であることを伝えたり,それらの企業のインターンシップに優先的に参加できる仕組みをつくるなどで,就活での学生と企業のマッチングを図ることができます。食料配布を通じて情報を共有していくサイトの構築もできると思います。これらがビジネスとして成立するかを今後のゼミの研究で示していきたいと思っています。

大久保先生:
 よくわかりました。年末の忙しい中,取材を受けてくださりありがとうございました。第2回ボランティアの盛会を祈っています。

福山市立大学で行われる食料配布は"配るボランティア"ではなく,"食べるボランティア"です。
福市生の皆さん,第2回の案内をお楽しみに!

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