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【大久保先生の学生探訪】卒業生編:藤本泰成さん,渡邊絢香さん(福山市内で小学校教員として活躍)

2023年4月14日

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大久保先生が本学の学生が行っている魅力的な活動を紹介する「大久保先生の学生探訪」。今回は番外編その4として,地元で活躍している卒業生に取材を行いました。
取材に応じていただいたのは,現在,福山市立山南小学校に勤務している本学教育コース一期生の藤本泰成先生と三期生の渡邊絢香先生。お二人の取材許可を得て,年度末の3月29日に,広報担当のハラちゃん(学務課の原主事)とともに山南小学校を訪ねました。

大久保 :
 藤本先生は8年間,渡邊先生は6年間のキャリアを積んでおられますが,教師としてどんなことを大切にして仕事をしておられますか?

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藤本先生 : 
 クラスには多様な子どもたちがいて,話を聞くことが難しい子どももいるわけです。どうやって落ち着かせようか,どう指導を入れていったらいいのかなど,いろんな方法を考えてやってきました。子どもの行為を叱らなければいけない時にも,少し目線を変えてみると子どもを認めてあげられる部分が必ずあります。言い方ひとつで子どもって変わるんですよね。今は,このことを大切にして子どもたちとつきあっています。
 この前もクラスの子どもたちが図工室をすごく汚していたので,(普段なら)叱る場面だったのですが,一人の子どもがゴミを拾ってくれてたんです。そのことを褒めてあげると他の子どもたちも片づけはじめました。「〇〇をやれ」と言われると嫌なものですが,「〇〇をやってくれると助かるな~」と言うともっと認められたいと思いますよね。そして認めていく中で子どもとの良い関係をつくっていきたいと思っています。

大久保 :
 子どもを認めていこうという姿勢が子どもを理解することになるんでしょうね。大切な視点を教えていただきました。渡邊先生は何を大切にしてこられましたか?

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渡邊先生 :
 今年は6年生を担任し,随分,子どもたちの可能性を感じました。なので,彼ら(彼女ら)の感性や価値観を大切にして,学校での活動を子どもたちに任せるようにやってきました。
 12月にはゲームを取り入れたオリエンテーリングを6年生が企画・運営し,他学年の子どもたちに好評で大いに盛り上がりました。クラスの仲間が力を合わせてやりきるという体験が子どもたちの成長につながっていると思います。

大久保 :
 なるほどね。子どもたちの中に自己信頼がはぐくまれ,また次のことに挑戦する意欲につながっていくということですか。活動を終えたあと,それぞれが得たものを共有する場はあったんですか?

渡邊先生 : 
 行事をしたあとにはリフレクションをしっかりと行いました。そして,子どもたちの思いを学級通信に載せて共有できるようにしています。実は,リフレクションの大切さは大学の実習・実地体験後に行った「省察」がヒントになっています。

大久保  :
 そうか,藤原先生(本学教育学部教授)の教えだ。しっかり浸み込んじゃってますね。では,もう一つ質問です。これから教師になっていく大学の後輩たちに「教師として必要な力」をアドバイスしてください。

藤本先生 :
 初任の時には,授業をボイスレコーダーで録音して,通勤の時間に聞きなおし改善しようと試みました。自分のしゃべっていることを聞くのがとても嫌で長続きしませんでしたが,どこかで自分の実践を客観的に見て分析していく営みが必要です。自己満足にならないように,実践を俯瞰的に見ていけるように気を付けてやっています。

渡邊先生 :
 私は理想の教師像をはっきり持って教職に就きましたが,そのことで,先輩教員の助言を丁寧に聞かず失敗したことがありました。ほかの教師の助言を聞くことで視野が広がり,柔軟に考えることができるようになります。私もそのことに気づいて成長できたと思っています。

大久保 : 
 最後に,教師の魅力を表現してみてください。

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藤本先生:
 そうですね,一言でいうと"成長の笑顔が見て取れるとき"があるということでしょうか。ただ楽しいというのとは違う,わかった,できた,心が通じたという時の笑顔なんです。

渡邊先生:
 そうそう。私も担任をしてた子どもから,「あの時,先生が話してくれたことが今になって分かった。ありがたかった」と卒業して随分たってから言われたことがあります。教師の働きかけには即効性はないけれど,どこかで返ってくることがありますよね。

大久保:
 ありがとうございました。お二人の話は持ち帰って,しっかり学生に伝えていきます。ハラちゃん,写真を撮ってくれる。あらっ,どこ行った?

 しばらくして,廊下から「野島先生,覚えてますか?先生に担任をしてもらった原です」という声が聞こえてきました。そう,ハラちゃんが小学校3年生の時に担任をしてもらった先生も山南小学校に勤務されていました。突然の出会いに野島先生も驚きを隠せず。でも,教え子の成長を見て笑みをたたえておられ,ここにも教師の魅力を感じる一コマがありました。満開の桜と先生方の笑顔に出会え,暖かなひと時を過ごすことができました。

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