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【織田さんの学生探訪】第9回:新原 正子さん

2023年10月12日

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地場産品に魅せられて地元で生きる・・これが大学4年間の活動の結論

 大久保先生が本学の学生が行っている魅力的な活動を紹介する「大久保先生の学生探訪」。

 ところが大久保先生,なんとダブルブッキングをしてしまいインタビューができないようです。というわけで,今回は相棒の織田さんによる「織田さんの学生探訪」をお送りします。第9回目のお客様は都市経営学部4年の新原正子さんです。

 新原さんは都市経営学部の4年生,今までゼミでのフィールドワークや課外の活動(山野町の関係人口創出プロジェクト)に精力的に参加し,地域の様々な社会課題に向き合ってきました。そして,これらの大学での学びと4年間続けてきたアルバイトでの経験が融合して,現在,広島レモンに関する卒業研究に取り組んでいます。今回は,新原さんの研究との出会いやその内容についてレポートし,彼女が大学生活で得たものを探ってみたいと思います。

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織田
 新原さんの研究のきっかけはアルバイトということですね。まずはそのあたりから話を聞かせてください。

新原
 始まりは1年生の時からずっと続けているクレープ屋さんでのアルバイト(週に4日から6日の頻度で行ってきた)です。そこでは1年を通じて広島県産を中心に旬の国産果物を取り扱っていて,私はクレープやスムージーなどを販売したり,SNSで情報発信する仕事を行っています。福山市の果物でいうと,沼隈産のピオーネや神辺産の桃などを使用した商品があります。私はこのような商品を扱う中で,果物ごとの旬の時期や入手が難しい果物,生産者の減少の問題などを知ることができました。また,「旬の果物ってこんなに美味しいんだ」と声をかけてくれるお客さまから,地場産物の価値を教えてもらいました。このようなアルバイトでの経験がきっかけになっています。

織田
 卒業論文では広島レモンを取り上げていますが,それはどういう経緯ですか?

新原
 クレープ屋さんでは,広島県産レモンを使用したクレープやドリンクも販売しています。瀬戸内の温暖な気候に育まれた広島レモンは1年を通じて果実が出荷されています。他の果物は季節により期間限定ですが,レモンを使用した商品は1年を通じて販売が可能です。10月から12月頃は香り高く清涼感抜群のグリーンレモン,1月から5月まではまろやかな酸味の黄色のレモン,6月から7月頃にかけては鮮度保持フィルムで包装されたレモン,7月から10月頃にかけてはハウス栽培されたレモンといった違いのあるレモンが出荷されます。季節によって移り替わるレモンのカラーや風味が楽しめることや周年供給体制について興味深いと思いました。また,広島県産レモンは防腐剤を使っていないので皮ごと安心して使えることから全国の消費者に支持され,その生産量は全国一を誇っています。このようなことから卒業研究として取り上げたいと思いました。

織田
 なるほど,新原さんの広島レモンへの熱意がよく伝わりました。では,研究で追究している問題は何ですか?

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新原
 生産者の高齢化により担い手不足が問題となっています。生産にかかわってくれる関係人口を増やす取組みは多く行われていますが,私は産地に住んで,生産者となる定住人口を増やすことも必要だと考えています。でも生産者(定住人口)を増やす取組みはハードルが高く難航しています。

織田
 よくわかります。最適解はなかなか見い出せないと思いますが,問題を掘り下げることは大切ですよ。これからの新原さんの活動につなげてほしいと思います。ところで就職は食品関係の会社でしたよね。

新原
 はい,瀬戸内レモンを使ったイカ天を製造・販売している企業です。まずは営業職でお客さまの声をしっかり聞き,ニーズを把握し,いずれは商品開発をしてみたいです。そして,地場産品を使った魅力ある商品が生産者を増やすことにつながればいいなと思います。

織田
 最後に,大学で成長できたことはどのようなことですか?

新原
 高校3年生の時は,やりたいことが何も決まらず,興味を持った分野もありませんでした。福山市立大学の都市経営学部に進学したのは,いろんなことを学ぶことができて,大学に入ってからやりたいことが探せるからでした。実は私は,建築分野にも挑戦していました。製図道具も一式持っていますが,実際にやってみて建築は自分には合っていないとわかりました。この学部の良いところは,自分次第で自由に舵がとれ,進んでも引き返すことができるところです。私もいろんなことに挑戦し,上手くいかなかったこともたくさんありましたが,最終的に自分に合う経済・経営分野に出会えたので,頑張ることができていると思います。

織田
 新原さんの魅力は,失敗を恐れず新しいことに挑戦できること,そして努力を継続できることだと感じました。これって,社会人生活で間違いなく必須の力ですよ。これからの活躍を期待しています。ありがとうございました。

後日,広島県産レモンの価値を確かめに,新原さんのいるクレープ屋さんに出かけた大久保先生と織田さん。もちろん,お代は取材をすっぽかした大久保先生の奢りでした・・

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