福山市立大学
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【大久保先生の学生探訪】第13回:寺田 朱里さん

2024年5月31日

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今、母校の後輩に伝えたいこと

 春の陽気に包まれた大学キャンパス、中庭のベンチで昼食をとっている学生たちに交じって楽しそうに弁当を食べている高校生たちがいました。4月19日(金)、福山市立大学を訪問してくれた進徳女子高等学校の3年生です。高校生たちは本学教育学部の野口教授、大庭准教授の特別講義を受講しました。わずか3時間あまりの"学生体験"でしたが、未来を拓くエネルギーを少し蓄えたひと時ではなかったでしょうか。

 実は今回の訪問、高校生たちを福山市立大学に導いた仕掛人がいます。進徳女子高校を卒業し、本学教育学部保育コースに所属する3年生、寺田朱里さんです。彼女は恩師である進徳女子高校の長谷川先生のところに行き、本学の授業の魅力や仲間との様々な活動を報告していました。日頃から高校生に体験等を通じて学びのタネをまいてこられた長谷川先生は"生徒たちに学生体験をさせたい"と思われ、寺田さんに相談したことがきっかけで本学への訪問が実現しました。

 というわけで、大久保先生が本学の学生が行っている魅力的な活動を紹介する「大久保先生の学生探訪」。第13回目のお客様は寺田朱里さんです。

 今回の訪問までの経緯、そして当日、寺田さんが後輩たちに送ったメッセージ(当日、高校生たちの前で20分のプレゼンをしました)の趣旨を紹介します。

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大久保 
 後輩に福山市立大学に来てほしいと計画し、大学では野口先生と大庭先生に了解を取りつけたその行動力、ほんとにすごいと思うよ。どうしてそこまでできたのかな。

寺田
 私は中学生のとき、不登校を経験しました。勉強が遅れたというコンプレックスから自分に自信が持てず、大学は指定校推薦で"入れる大学"にいこうと考えていました。そんなとき、長谷川先生から「福山市立大学はどう?中四国保育学生研究大会の発表をみたらすごくよかったよ」と勧めていただきました。最初は「公立大学、そんなのムリ」と思いました。でも、学校に行けなくなった時の私が今、高校生活をこんなに謳歌している、"人生何が起こるか分からない!"と思い始め、指定校を蹴って高倍率の福山市立大学の学校推薦型選抜を受験し合格することができました。私と同じように自信が持てずにいる後輩たちに、私が体験してきたことや今の学生生活のことを伝えたい、自分を大切にしてほしいし挑戦したらなんとかなるよ、ということを伝えたいと思ったんです。

大久保 
 特別講義を野口先生と大庭先生にお願いしたのはどうしてですか?

寺田 
 野口先生に講義依頼した理由は、私自身先生の講義を通して、社会福祉に関する内容を自分事として捉えることや弱い立場にある子ども、女性の権利を主張していくことの重要性を学んだからです。後輩達もそれぞれ事情を抱えているからこそ、学びがいつかみんなの助けになることがあるかもしれないと思いました。大庭先生は、原爆や福山空襲を語り継ぐことやウクライナ戦争を通じて、平和へのメッセージを発信されています。進徳女子高校にも慰霊碑があり平和ゼミナールの部活もあるので、先生の話を聞いてほしいと思いました。

大久保
 先生の講義のあと、寺田さんが後輩へ送ったメッセージについて聞かせてください。保育の専門の学び以外にも、オープンキャンパスワーキングや大学祭実行委員会での活動など、多くのコミュニティに属しそこで学んだことを紹介してくれました。そういえば、リエゾン(注1)にも入っているんだ。

寺田 
 そうなんです。リエゾンは年1回、カンボジアで活動しているんですが、私もこの春、7日間行ってきました。小さな村の小学校でTシャツなどを渡して子どもたちと交流したり、アンコールワットを観光したりとても楽しい旅でした。貧しくても幸せそうなカンボジアの子どもたちの笑顔を見たら、本当の豊かさとは何か考えさせられました。また、カンボジアの現地の方が自殺者の多い日本を「日本は戦争している」と表現していたのが印象的でした。世界の人から見ると、自分が思っているのとずい分違う日本があるんですね。このように学べば学ぶほどわからないことが増えていき、面白いです。

大久保
 あらためて、高校生に一番伝えたかったことはなんですか?

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寺田 
 私は多くの人と出会って、自分が変わることができました。それは、勇気をもって踏み出せばできないと思っていたこともいつの間にかできている、そう思えるようになったということです。高校時代に自信が持てなかった私と同じような思いを持つ後輩たちにこそ、多くの体験をしてほしいし学んでほしいと思っています。

大久保
 大学の様々なコミュニティで活動している寺田さんだから言える言葉ですね。

寺田 
 ほんと、オープンキャンパスワーキンググループや大学祭実行委員会の仲間と出会えたことは大きかったです。そして、一番身近なところで悩みを聞いてくれ、一緒に頑張れる保育の仲間がいてくれます。みんな私を自然に受け入れてくれ、私もその中で自分らしくいられる、そんな仲間たちと同じ目標に向かえることがとてもありがたいです。

大久保
 次なる目標は何ですか?

寺田 
 もちろん、7月のオープンキャンパス(注2)です。頑張ります。

「勇気をもって踏み出せ、そして学んでほしい」と後輩に送ったメッセージは、これからも挑戦を続ける寺田さん自身へのエールにも聞こえました。大切な仲間たちと一緒に、益々輝いてください。あなたたちこそ、福山市立大学の誇れる仲間です!

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4月19日(金)進徳女子高校3年生午後の訪問グループと記念撮影

(注1)Liaison(リエゾン)は、福山市立大学のボランティアサークルであり、学生国際協力団体。主にカンボジアの子どもたちを支援する活動を行っている。
(注2)2024年度の福山市立大学オープンキャンパスは、7月20日(土)及び21日(日)に実施します。学生ワーキンググループが中心となって企画・運営を行い、授業内容・サークル・大学生の日常など、本学の魅力を感じていただけるイベントです。実施するコンテンツの詳細等はホームページhttps://www.fcu.ac.jp/guide/oc/index.html)に随時掲載していきます。

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