福山市立大学
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【大久保先生の学生探訪】第17回:小林柊斗さん

2025年3月28日

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恩師に誓う、プロの教師への挑戦

 水曜日の8時30分から1530分まで、ほぼ毎週、大学近くの小学校で教師の仕事体験(※本学の教育学部生が課外で行っている実地体験活動)をしている学生がいる。彼の名は小林柊斗、福山市立大学教育学部教育コースの2年生だ。6月から始めた体験活動は、すでに30日に達している。昨年の10月には6年生の児童を前に45分の講話「大学生活と夢」を行った。彼は1枚の写真を示し、教職を目指そうと思ったきっかけを語った。その写真には、彼が小学校卒業の時、一緒に写ってくれた校長先生の姿があった。「私の小学校卒業の時の写真です。一緒に写ってくださったのは皆さんがよく知っている方、そう、この学校の校長先生です。私は和田校長先生との出会いがきっかけで教職を目指そうと思いました」と力強く語り始めた。彼は小学校でお世話になった和田校長先生と再び出会い、今度は実地体験活動でお世話になっていた。それはまるで、彼が教師になると運命づけられているような恩師との出会いだった・・

 「プロジェクトX」的に紹介するとこんな感じです。今回の探訪では、子どもの頃に影響を受けた恩師への思いが原動力になっている教育コース2年生小林君の挑戦を取材しました。

大久保 
 ドラマチックな出会いですよね。あなたが小学校の時、和田校長先生はどんな先生だったんでしょうか?

小林 
 校長先生だけど、とても気さくに話かけてくれ、子ども一人ひとりとしっかり関係を築いている、そんな先生でした。卒業の時には似顔絵つきのメッセージカードをいただきました。これです。

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小学校卒業時の小林君と管理職の先生方、右が和田校長先生、左は村上教頭先生

大久保
 これ(小林少年の似顔絵)、校長先生が書いたんですか?

小林 
 そうです。卒業生みんないただきました。

大久保
 それだけ、子ども一人ひとりをよく理解されていたんですね。そんな校長先生のもとで行っている実地体験活動ですが、どのような体験をしているんでしょうか?

小林 
 授業を観ることが多いです。特に道徳教育に力を入れている学校なので、道徳の時間の授業は毎回みせてもらっています。この前も、教頭先生が福山市立大学の学生のための研究授業(道徳の時間)を設けてくださり、学生5人が参加しました。授業を観たあとは協議会もあって、いっぱい質問することができました。

大久保
 まるで初任者研修じゃな。どんな気づきや学びがありました?

小林 
 子どもの発言の中に「深いなー」と思うことがあります。授業担当の先生が想定していない発言が出てくるんですが、その時、先生は「それってどういうこと?」「そういうこともあるか~、みんなはどう思う」など、話がどんどん広がっていくように聞いていきます。「それってこういうことね」と先生が考えを誘導していくと発展しないんだとわかりました。先生も子どもたちの発言から知ることもあるし、子どもたちと先生が一緒に授業をつくっていく姿勢が大切だと感じました。

大久保
 そうか、先生が正解を匂わすと、それ以上広がらないわな。

小林 
 なので、どんどん手があがるんです。そして、発言した意見は必ず取り上げられ、その意見を受けて次の人が発言していく、そんな意見のつなぎを大切にしているんです。そして、そのための学級の雰囲気づくりが大事だということも教えていただきました。

大久保
 学級経営の視点もか、勉強になるねー。先生方に感謝せんといけんね。私もお礼を兼ねて校長先生に会ってみたいな。今度、手城小学校に行こうや!

 ということで、3月11日に校長先生、教頭先生を訪ねて学校にうかがいました。
 製作中とみられる卒業生の似顔絵の入ったメッセージカードが棚に置いてある校長室で、校長先生、教頭先生と懇談をしました。そして、実地体験活動への学校のかかわりの詳細を聞くことができました。

和田校長先生
 どうせ目指すなら力のある教師になってほしいと思って、実践から学べるよう授業や行事等へ積極的に関わってもらっています。学生の1日の体験をマネジメントしているのはすべて教頭先生です。学生一人一人の体験計画書をつくり担当教員との調整をして、事後には記録簿をもとにした振り返りまで指導してくれています。まさに、わが子を思う母親のような関わりです。

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甲斐 教頭先生 
 (計画書と体験記録簿を綴ったファイルを開きながら・・) せっかく来てくれているので授業の中でも何か役割を担ってほしいと思っています。役に立つという実感を持ってもらうためには、その目的を明確にしなければいけないので、事前の教員打ち合わせにも入ってもらいました。学生が入ってくれることは教員の刺激になりますし、私たちにはない視点を持っているので教員も勉強になります。そして、学生には「できるだけ子どもたちと一緒に遊んでください」と伝えています。教師になる人は子どもの社会を知って、子どもとの関係が築けないといけませんから。小林君たち学生は一生懸命に取り組んでくれますし、私たちは学生として見ているのでなく、すぐに教員になる同僚として見ています。

 2・3年後には教師として独り立ちしなければいけない学生たちを、同僚の一人として受け入れてくださる手城小学校の先生方には感謝しかありません。学生たちは教えることの奥の深さや使命感を含め教師の仕事の魅力をずっしりと感じ取っていると思います。どうぞこれからもご指導ご支援をよろしくお願いします。

 8年前、恩師に囲まれて「教師になる」という夢を膨らませた少年が、「プロの教師になる」と誓う青年に成長しています。彼を囲むように写った校長先生・教頭先生は、教師への道を歩む彼の背中をそっと押してくれ、その笑顔は夜道を照らすヘッドライト・テールライトのごとくやさしく彼を導いていました。

♪~ ヘッドライト・テールライト 旅はまだ終わらない ~♪

引用:中島みゆき(2000)、「地上の星/ヘッドライト・テールライト」ヤマハミュージックコミュニケーションズ

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2025年3月11日に撮影 左は甲斐教頭先生

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