本文へ移動

お知らせ

2022年4月 4日

清原先生・松浦先生の著書が発刊されました!

都市経営学部の清原先生の共著書が発刊され,コメントをいただきました。

「日本の食卓の将来と食料生産の強靭化について考える」
「21世紀の農学 持続可能性への挑戦」
「フードシステムと日本農業」

HP用_3冊.jpg

【フードシステム】とは,何でしょう
 皆さんにとって,「食」とは何でしょうか?習慣,ファッション,レジャー,他者との繋がり,地域おこしの資源・・・そもそも深く考えたことがないという人もいるのではないでしょうか。私たちが食についてこのような認識のもとで暮らしていけるのは,食料が量・質ともに充足されているからです。食料は私たちの生命を支えていることは周知であり,その欠乏は人としての尊厳を脅かします。
 では,限られた資源(土地,水源,労働力など)で,私たちはどうやってこのような充足状態を保っているのでしょうか。スーパーマーケットやコンビニエンスストアだけが繁栄していても食料は手に入りません。農業や水産業,流通業,外食産業,小売業のいずれが欠けても今日の食生活は成り立ちません。これら産業は川の流れのように繋がり,私たちに食料を届けています。この繋がりは「フードシステム」と呼ばれています。
 今回紹介する3冊の共著書は,フードシステムを対象とした,初学者向けのテキストです。①,②はフードシステムの川上にある産業とそれをとりまく環境や技術,課題を中心に,③はフードシステムの川上から川下まで,ほぼ全産業をカバーしています。清原は①では現代のフードシステムの概要と課題について,②では食の安全性確保のしくみについて書いています。③では食品の卸売業,製造業,外食,小売業について解説しています。皆さんにとって身近な商品や店舗は,実は学問の対象にもなるのです。とくに③は,現在のフードシステムに起こっている様々な社会的事象とそれへの対応が書かれており,読むと緊張する内容に仕上がっています。興味ある方は手に取ってみてください。

都市経営学部の松浦先生の著書が発刊され,コメントをいただきました。

「北朝鮮帰国事業の政治学 : 在日朝鮮人大量帰国の要因を探る」

松浦写真HP用.jpg
HP1冊.jpg

「北朝鮮」と聞くと何を連想しますか? 核や拉致,独裁者等でしょうか。そんな北朝鮮に,戦後の日本で多くの人々が移住したと聞けば,皆さんは,信じられますか。
 今から60年以上前のこと。在日韓国・朝鮮人と日本人の妻など9万3,000人が北朝鮮に渡りました。
 帰国事業は,国際機関が仲介して,「人道」的な理由からスタートしました。ところが実際には,彼らは食料不足で十分な配給を受けられず,厳しい監視のもと移動も制限されるなど,苦しい生活を余儀なくされ,日本への帰国を望みながらも戻れずに亡くなった人や,消息を絶った人が少なくありません。
 この問題は,将来的に,日本と北朝鮮の国交正常化に大きな影響を及ぼす外交問題でもあります。その意味で,帰国事業はホコリをかぶったアンティーク(骨董品)などではなく,今を生きる私たちにとって国際人道上の課題として向き合わなければならない課題です。
 なぜ人々は北朝鮮に移住したのか。世界では紛争が絶えませんが,「人道」とは何か。この本を手に取った皆さんが,そんなことを考えるきっかけになれば嬉しいです。
 ※本書の出版では,科学研究費研究成果公開促進費(学術図書)による支援を受けた。

私たちにとって欠かすことができない食について,それから北朝鮮について,お二人の先生のご著書から多くのことが学べそうです。
新入生のみなさんもぜひ手に取ってみてください。本学の先生方が書かれた本を読むことで,福山市立大学がより一層あなたの身近な世界になるはずです!

紹介した本は附属図書館の展示コーナーに4月15日(金)まで展示します。
その後は教職員著作コーナーに並べます。こちらのコーナーには他の先生方の著作もありますので,ぜひご覧ください。

このページのトップへ