11日目 ファーマーズマーケットと寒冷地工学の講義

 午前中の英語クラスが終わって、大学食堂ではなく町で各自が好きなランチを摂ることになりました。 大学から町に行く巡回バスに乗ります。学生証を提示すれば無料で乗車できます。時計回りはRed Lineで反時計回りはBlue Lineです 途中に毎水曜日と土曜日だけ開かれるfarmer's Marketに立ち寄りました。ここでのお目当ては手作りのブルーベルージャムです。昨年もここでジャムをお土産に購入しました。ここでしか手に入らないジャムでマーガレットさんの手作りです。マーケットでは屋台も出店していてここでタイ料理や餃子を食べた人もいました。








 夕食の後に最後の専門講義を受けました。Permafrost Engneeringについて Prof.S.Huangさんが分かりやすく解説してくれました。 Huangさんと福田は25年前から付き合いがあり幾つもの共同研究を展開してきました。 元々は台湾の出身です。講義では、次のようなことが解説されました。
 アラスカをロシアから購入した金額は7.2百万ドルで今の価値では約550億円です。ジャンボ機が1機200億円ですからずいぶんお買い得であったことが分かります。 アラスカには永久凍土が分布し、それが建物などのインフラに影響を与えます。水平的にも垂直的にも切れ目なく永久凍土が分布するのを連続的永久凍土(Continues Permafrost)で場所によって分布が途切れる地域を不連続的永久凍土(Discontinues Permafrost)と呼びます。 フェアバンクスは年平均気温-5.5℃で不連続的永久凍土帯です。

 永久凍土に氷を多く含む場合、一旦融解すると体積が減少し、地盤が沈下することがあります。それをどのように安定化するかを研究するのがPermafrost Engineeingなのです。北極海の油田プルドベイから南の港バルデーズまで原油を輸送する1280kmもの長大なパイプラインが1976年に建設されました。オイルは流れやすいように+60℃まで加熱されています。もし氷を多く含む永久凍土の地中にパイプを埋設すると周辺地盤が融解し地盤沈下します。するとパイプに大きな力が加わり破損します。そこで融解を防ぐために地上に敷設します。このように凍土の性質や融解時挙動をよく理解してパイプラインは設計されています。 また地震断層でパイプが横にずれたりしますので、その対策も立てておかなけばなりません。ここで埋設されているシームレスパイプは全て日本製でJFE 福山製鉄所でも製造されています。 パイプは腐食などで劣化するので30年毎に交換します。クイズや日本語を交えながらの分かりやすい講義でした。

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このページは、2014年7月18日 16:56に書かれたブログ記事です。

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