2013年度実習の様子の最近のブログ記事

出発2日前

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あと2日で、開学後初めての海外授業「環境開発実習」が始まります。
この日のため、2年にわたって準備してきました。
参加する学生たちも、期待に胸を膨らませていることでしょう。

目的地であるアラスカ大学では、学生寮に宿泊しながら、語学研修や専門家の話を聞き、数日に一度は野外での実習になります。
引率教員も、まずは安全第一を念頭に、学生の貴重な経験が充実したものになるようサポートしていきます。

福山出発

ついにアラスカへ向けて出発する朝を迎えました。福山は朝から暑く、本格的な夏の到来を思わせます。参加する学生は、大学と福山駅に分かれて集合しました。遅刻者はおらず、バスは時間通りの朝9時に出発。これから4時間半かけて、関西国際空港まで移動します。次は経由地のシアトルから報告します。それでは、行ってきます!(S)

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シアトル空港

P70700212.jpgシアトル空港に到着、入国審査も全員通過しました。これからアラスカ航空に搭乗します。

フェアバンクスへは現地時間で15:30ごろ、日本の朝8:30に到着します。
福山を出発して24時間と長い道のりですが、目的地が近づいて来ました。



アラスカ大学到着

福山から24時間たった現地時間の午後4時ごろ、フェアバンクス空港に到着しました。全員元気です。空港からはバスに分乗して大学の学生寮へ。この寮に2週間宿泊します。さあ、アラスカでの生活がスタートしました!(S)

フェアバンクス空港にて大学の学生寮に到着しました

オリエンテーション

到着から一夜明けた日曜日の今日は、朝10時に遅めのブランチをとり、オリエンテーションに望みました。サマースクールの担当者からはフェアバンクスの町やアラスカ大学の歴史の解説があり、英語を担当してくださる教員から、授業の進め方やクラス分けについての説明を受けました。英語を使うための授業を行うとのこと、かなり鍛えてもらえそうです。教室での説明が終わった後は、UAFの学生によるキャンパスツアーへ。建物などを見て回り、約1時間半かけて広い構内を一周しました。

オリエンテーションの様子

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

午後はバスに乗って市内へでかけます。ダウンタウンの公園に立ち寄ったあと、参加者待望の?ショッピングセンター「Fred Mayer」へ。ここでシャンプーやミネラルウォーターなど、学生寮の生活で必要なものを中心に買い物しました。中には早速、アメリカのカラフルなケーキを買った人、日本食が恋しくてお米と海苔を買い、おにぎりをつくった人も!

夕食後は大学のブックストアへ。私達のために、休業日にもかかわらず特別に開けてくださいました。店の中には、マグカップやパーカーなど大学のロゴ入り商品がずらり並んでいます。野外巡検の防寒具になるフリース素材のパーカーや、寮で使うマグカップなどを購入した人が多かったようです。

明日から5日間は、午前中に英語コミュニケーションの授業、午後はアラスカの自然や文化に関する様々な授業が、主に英語で展開されます。(S)

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授業が始まりました

今日は英語クラスの初日です。 Duff Johnston と Kim Argan Stewart の両教師が担当です。 はじめは緊張の面もちでしたが、巧みな教授法で次第になじんでいきました。 2週間後の達成度合いが楽しみです。 午後は歩いて18分離れたBiology Science(生物科学)の新しい建物で自然誌の講義を受けました。 講師はDr.Jenice Ottでした。 綺麗な動植物の写真を使いながらアラスカの自然の成り立ちを1時間にわたって解説してくれました。次にフェアバンクス郊外で起こった森林火災の状況とアラスカでの森林火災発生の背景、火災が植生や永久凍土に与える影響について福田が講義を担当しました。 午後から曇って小雨の降る天気でしたが、これで近郊の火災も収まるでしょう。 今のところ皆元気にやっています。(F)

Duff Johnston先生の英語クラス

 

 

 

 

 

 

 

 

Kim Argan Stewartの英語クラス

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Dr.Jenice Ott先生(Natural History)と記念撮影

 

 

 

 

 

 

 

 

雨上がりの大学構内

授業2日目

授業が始まって2日目を迎えました。
今回は長くなりますが、朝の起床から順を追って、学生たちの生活をご紹介します。

朝食は7:30から、カフェテリアでいただきます。今朝はいつものハムやチーズに加えてフレンチトーストとシナモンロールが加わりました。食事のあとは寮に戻り、8:30にロビーへ集合。点呼を取り、予定や注意事項を伝達します。この時に、フェアバンクスのお母さん「yorikoさん」が毎朝来てくださいます。Yorikoさんは長くアラスカに在住する日本人の方で、教員2人もとてもお世話になっている人です。女子学生のために、日々の生活の相談役になっていただいています。

朝のミーティング

 

 

 

 

 

 

 

 

午前中は引き続き、英語クラス。今朝はクラス別の集合写真を取りました。まずDuff先生の担当クラス、次にKim先生のクラスです。英語の授業が終わったら、各自カフェテリアに行き、ランチをいただきます。今日はアメリカではおなじみのチーズマカロニ、ひき肉も入っていました。学生たちがつくってカフェテリアの職員にプレゼントした折り鶴が、店内に飾ってありました。

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午後の専門講義は1:30から、今日はアラスカ大学名誉教授・赤祖父先生の講演で、オーロラと北極圏が課題でした。 何枚ものオーロラの写真を見ながら、オーロラの世界的研究者による分かりやすい解説を受け、皆オーロラ発生のメカニズムを理解したようです。その後、国際北極圏研究センター(IARC)のロビーに掲げられる日の丸と星条旗の下で、赤祖父先生と記念撮影をしました。

赤祖父先生の講義

 

 

 

 

 

 

 

 

 

15:00には隣接する地球物理研究所を2グループに分かれて見学し、地震と火山観測網の説明を受けました。 その後、5階で赤祖父先生から飲み物とお菓子をごちそうになりました。夕食は17:30から、カフェテリアでいただきます。なお今日は、多くの学生が夜の自由時間に町へと買い物へ出かけて行きました。スーパー、本屋、アイスクリームスタンド、古着屋さんなどなど、それぞれの滞在を楽しんでいるようです。(F,S)

授業3日目

朝は小雨が降り肌寒く感じられるほどでした。 お昼正午ごろの気温は10℃でした。
午前中英語授業は市内に出かけてコミュニケーションの実践をしました。

お昼12時頃の気温

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

午後は北方工学部の水資源学科の吉川謙二博士に北極圏と南極圏についての講義を担当してもらいました。南極については極点まで徒歩で到達した体験、北極では今年の3月にアラスカ最北東部からカナダのエルズメア島まで約8000km(これは成田ーシアトル間に等しい距離)をスノーモービルで走破した体験を多くのスライドで話してもらいました。 未知なるものへ挑戦することが極地研究の原点であることを語ってもらいました。その後学生は、いくつかのグループに分かれて市内に出かけていきました。 学生証が市内循環バスの無料パスとなるのでとても便利です。8時半には、買い物袋を両手いっぱいに持った学生たちが、バス停から全員元気に戻ってきました。(F,S)

吉川教授の講演

肌寒かった昨日と打って変わり、今日はさわやかな晴天です。
午前の英語教室には、アラスカ大学日本語学科のDvid Henry教授夫妻が参加してくださいました。

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午後の講義は、アラスカ大学博物館のAngela Linn博士によるアラスカ先住民についての講義でした。アラスカには、エスキモーやインディアンと総称される先住民が20以上居住し、それぞれが独自の文化を持っています。また、今から約1万年前の旧石器時代には、アラスカやアリューシャン列島、日本でまったく同じ形の銛や石器を使っていたことがあり、日本と文化的な共通性もあります。英語で行われた講義では民族名や地名がたくさんでてきましたが、学生たちは配布資料も見ながら頑張って聞いていました。

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講義後は、博物館へ見学に行きました。 普段は一般には公開されていない収蔵庫や、充実した研究室など博物館の心臓部とも言えるバックヤードを案内していただきました。一般公開されてる展示場入口にはグリズリベアーの剥製が立って歓迎しています。博物館の売店には、先住民が製作した彫り物や小物などが多数販売されています。学生たちも、ここでしか入手できないお土産を買ったようです。

 

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夕食後は、明るい日射しと青空の下、植物園で開催されたブルーグラスバンド「Brochhead heaters」の青空コンサートを楽しみました。演奏後、お礼に折りヅルを差し上げました。楽しいひとときとなりました。(F,S)

 

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講義5日目 永久凍土工学

日中の気温は26℃です

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日は快晴で、強い日射しと真っ青な青空です。しかし湿気がなくて空気がさらっとしてます。
午後の講義は工学部地質工学科のScott Huang教授が地盤工学から見たアラスカの永久凍土について解説してくれました。特に1975年ー77年の原油パイプライン(アリエスカパイプライン)の建設にまつわる凍土工学について解説していただきました。

 

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寮のロビーにはビリヤード台があり、楽しんでプレーしています。
今夜の夕食は モンゴリアンビーフとピラフ、サラダなど。スープと一緒に頂きました。
学生諸君は食後のデザートのケーキもぱくついてました。食欲旺盛です。(F)

 

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今日は授業はお休みです。早朝4時30分 朝日で淡く染まったアラスカレンジがくっきりと見えました。文句ない快晴です。休日には、フェアバンクスの市内や郊外への巡検(見学旅行)を行います。今日はバスに乗り、まず市内のFarmers Market(農家市場)に行きました。とりたての野菜や手作りのジャム、アクセサリーなどを売っています。学生たちは慎重に品定めして、ブルーベリージャムなどを買っていました。

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次に、ダウンタウンにあるビジターセンター(Morris Thompson Center)で先住民の文化講演を聴きました。講演してくださったのは、アラスカ大学のWalter Charles博士です。ワルター博士はYupik(ユッピク)族の一員で、ユーコン川河口付近のエスキモーの集落で生まれました。以下、講演内容の一部を紹介します。「小学校に入学するまではYupikだけを話していました。小学校に入ると英語だけを使うように強制されとてもそれがいやでした。祖先から受け継いだ自分たちの言葉を大事にしたいと思いながら、学校の先生を目指してマサチューセッツの大学院に入りましたが、父親の死で帰郷するため学位を取得できませんでした。最近アラスカ大学の大学院に入り直して、2年前に博士を取得しました。これも父親のおかげと、うれしさで涙があふれ出ました。先住民の言葉や伝統や文化をこれからも大事にしたいと考えています。」 この講演は英語でしたが、観光局のエドさんが見事な日本語通訳をしてくれました。このセンターにはアラスカの自然や文化のジオラマ展示があり、滞在の後半はそれを見て回りました。

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午後はフェアバンクス市内を流れるチナ川のボートクルーズ、外輪船のDiscovery号に乗船しました。1850年代、開拓のためにチナ川を航行していた船を再現したものです。途中にはアタバスカンインデアンの集落が再現されており、シャケの薫製や毛皮作成の様子をスタッフ(先住民であるアサバスカン族のスタッフ)が解説していました。のんびりDiscovery号に乗り、アラスカの開拓時代に思いを寄せることができました。(F,S)
 

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今日も快晴でした。朝8:45に出発し、約76km離れたチナ温泉(Chena hot springs resort)に出かけました。チナ温泉は、夏と冬を通じて多くの観光客で賑わうフェアバンクスの有名スポットです。水着で入浴する露天風呂のある温泉のほか、乗馬やMTB、ハイキングなど、多様なアクティビティが用意されています。温泉にはいろいろの施設がありますが-10℃に保たれた氷の博物館(ice museum)に防寒服を着て入りました。氷の彫刻や氷で出来た椅子とテーブルの並ぶアイスバーもありました。外気+30℃と違う冬のアラスカを体験しました。その後露天風呂に入ったり近くの森林をハイキングしたりして時間を過ごしました。

 

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午後には、地熱発電とその電力や温泉熱を利用した農業施設を見学しました。ここでは地熱発電や温室での野菜栽培など自給自足の生活を目指しています。日本人スタッフの岡田さんに、地熱発電装置や水耕野菜栽培などを紹介していただきました。地熱発電装置では、約75℃と熱源としては温度が低い温泉水から、新しい技術を使って発電し、チナ温泉全体で使用する電力を生んでいます。この電力を利用して、青の波長を強めたLED(発光ダイオード)を点灯させ、飼っている馬の試料となる草を栽培していました。また温室では、ほとんど太陽が沈まない夏の日射が植物にどのような影響を及ぼすのか研究するなど、大学との共同研究も進められています。

 

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道すがら先週の林野火災の跡地を見ました。夕方はフェアバンクス名物のサーモンベイクをいただきました。目の前で焼いたローストビーフ、サーモンのバーベキュー、そして鱈の唐揚げがお皿に山盛りになりました。しかし、これを平らげてデザートまで制覇する強者が続出していました。(F,S)

 

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今日は今回のサマースクールのハイライトの野外巡検です。約1時間30分かけて、ポーカーフラット(Poker Flat Research Range)に行きました。世界唯一の民間ロケット打ち上げ施設があり、オーロラと同期してロケットを打ち上げ観測をしています。観測や研究の概要をDr.Don Hapmtonが説明し、実際のロケットランチャーなどをDr.Richi Collinsが案内してくれました。高さ400kmまで打ち上げてオーロラの構造を観測しています。UAV(無人飛行機)のフライトデモも行いました。連続20分飛行可能な4枚回転翼のUAVが思いのまま操られて飛行しました。

 

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午後は金鉱山Fort Knoxを見学しました。すり鉢状に岩盤を掘り、発破で崩した岩塊を210トンの巨大ダンプカーで運搬します。それをCrusherとMillで細粉化し、化学処理をして金を抽出します。バスの中で金塊を手にとってみました。さすがにずっしりと重い。帰り道に永久凍土を繰り抜いた研究用トンネル(CRREL FOX Permafrost Tunnel)の中を見学しました。永久凍土に形成されたIce Wedge(くさび状の地下氷)の構造が地下から観察できる、世界でも稀な施設です。また、かって福田がDr.Brochkovと氷を採取して氷中のメタンガス組成を分析した結果も紹介しました。

 

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最後に原油パイプラインサイトを見学しました。北極海のブルドベイから南は太平洋のバリデイズまで800マイル(約1400km)続くパイプラインは、全米国で消費される原油の27%をまかなっている大動脈です。

 

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今日は専門講義2件と施設見学1件と忙しい1日でした。 英語の授業の後、アラスカの哺乳動物について博物館の.Aren Gundersonさんから説明を受けました。様々な動物の毛皮や頭骨を持ち込んでの解説でした。やはり興味を引いたのはアラスカの褐色熊(Brown Bear)と白クマ(Polar Bear)の比較です。褐色熊は日本のヒグマの仲間です。主にベリーなどを主食としています。 白クマは完全な肉食獣です。 頭の形がとがっているのは、海氷の上に出来た開口にアザラシが息継ぎに浮上したときに、穴に素早く潜り込むためです。 また進化ではそう古くない時代に褐色熊から分かれて進化したのが白クマです。 講義後に、皆ラッコや黒テンの毛皮に手を触れてみました。寒冷環境への適応でふさふさした毛並みになったことを学びました。その後バスで移動し大型動物実験施設を見学しました。広大な敷地にはMusk Ox(じゃこう牛)やトナカイが飼育されています。トナカイの雄の立派な角は2ヶ月で大きくなり、その後固くなります。繁殖期には雌の集団には1頭の雄だけが入ることが出来ます。その座を巡って雄同士が角を絡ませての戦いを続けます。 繁殖期が終わると角は抜け落ちてしまいます。

 

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今日は夕食の後にも講義がありました。IARC(国際北極圏研究センター)所長のLarry HINZMAN博士が北極圏の環境変動とそれが地球全体の気候システムに与える影響について解説してくれました。温暖化が永久凍土にどのような影響を与えるか、また凍土に貯留された炭素の放出で温暖化にも影響することや、海氷の縮小の状況などを分かりやすく説明してくれました。今日で専門の講義は終了しました。充実した1日でした。(F)

 

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今日は午前中に英語の最後の授業、午後はフリータイムでした。最後の英語の授業は試験です。といってもペーパーテストではなく、町にでて英語のコミュニケーションを実践し、その証拠を先生に確認してもらう、というユニークなものでした。学生には、「アメリカ人の友人にプレゼントするための商品を店員に聞いて探す」、「日本にはないものを3点探して写真を撮る」など、必ず店員や周囲の人と話さなければ解決できない課題が与えられ、大型店が立ち並ぶエリアに解き放たれました。楽しい試験だったようです。昼食はそれぞれ好きな店でとりました。

 

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午後のフリータイムには、引率教員が主催する「森の散歩」へでかける学生もいました。アラスカ内陸部に特徴的なクロトウヒとコケの森をのんびり歩き、大学構内で最大の湖「Smith Lake」までハイキングしました。野生のブルーベリーやクランベリーなど文字通り道草しながら、北方針葉樹林の生態系に触れることができたと思います。(S)

 

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夕食の後、市内のCarson Centerで行われているWorld Eskimo-Indian Olympic Game を見に行きました。アラスカ各地からエスキモーや北方インデアンが集って踊りやゲームを披露し、伝統的な競技で競います。はじめにフェアバンクス北西150kmのミント集落からやってきたアタバスカンインデアンのグループが太鼓に合わせて踊りました。途中から聴衆にも参加を呼びかけ、FCUの学生も何名か飛び入り参加して、盆踊りのように円陣で踊りました。
次にエスキモーによるブランケットトスのコンテストがありました。ツンドラの草原に住むエスキモーが、沿岸に近づく鯨を探すために考案されました。遠くの鯨の潮吹きを見つけるため、セイウチの皮を縫い合わせ、そこに人を載せて周辺の人々が毛皮を煽って人を高くとばします。実際6m以上も飛び上がる、トランポリンの原型です。我が男子学生も煽り係として参加しました。8名の女性が順番にブランケットトスで上空高く舞い上がり、頂点でポーズを決めます。また着地も立った状態で決めなければなりません。その後大きな太鼓を打ち鳴らすエスキモーの踊りもありました。先住民の文化を垣間見ることができた、なかなか興味深いイベントでした。(F)

 

SP7180168.jpg大日方さん撮影

今日は最も遠い、待ちに待ったデナリ国立公園への巡検です。眠い目をこすりながら、朝4時過ぎに大学をバスで出発しました。2時間30分後 デナリ国立公園のビジターセンターで公園内の巡回バスに乗り換え。ここから2グループに分かれて約8時間のバスツアーです。ここは標高が高く森林がなくなるアルパインツンドラです。

 

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バスからは、多様な野生動物を観察できます。先行グループのバスには、まずムースがのそっと現れました。大きな角がないことから雌のようです。次にグリズリーベアが遠くに見えました。熱心にベリーを食べています。彼らの主食は動物ではなくベリーなのです。後発グループのバスでも、グリズリー、カリブーなどが何回もでてきてくれました。

 

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折り返し地点のアイルソンビジターセンターに近づくに連れ、いよいよ北米最高峰のマッキンレー山が姿を表しました。雲が切れて主峰の一つノースコル(標高5934m)が見えました。残念ながら最高峰のサウスコル(6193m)は雲のなかでしたが、なかなか姿を現さないマッキンレー山を間近に見ることができたのは幸運でした。先発のバスに乗車の面々はマッキンレー山の前で記念撮影。後発組は、山と花を見ながらの散策を楽しみました。

 

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見学を終えた後、デナリ国立公園の入り口にあるピザレストランに入り、夕食となりました。さすがアメリカ、日本で見るピザより二回り大きく、どう見ても丸いピザの半分が一人前の計算で運ばれてきます。非常においしいピザだったためか、ほとんど残さずいただく快挙を成し遂げました(少し、お持ち帰りにしました)。学生たちのなかからは「帰りたくない」との声も聞かれますが、滞在はあと1日。全員元気です。(F,S)

 

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帰国しました

7月21日午後3時ごろ、関西国際空港に全員、無事に帰国しました。貸切バスで福山に戻ります。参加者の皆さん、まずはお疲れ様でした!

 最終日の卒業式・ディナーの様子などは、後日アップします。(S)

本日はアラスカ滞在の最終日。滞在最後の夕食会まで、自由行動でした。また今日は、2週間お世話になったアラスカの方々とお別れの日でもあります。サプライズは、朝食から始まりました。滞在中、私達のことを気遣い、アジア風の料理を取り入れた食事をつくってくださった大学食堂「Lola tilly」のマネージャーであるリサさんに、全員の寄せ書きが書かれた色紙が学生からプレゼントされました。たいへん喜んでくださり、名残惜しいお別れになりました。

 

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自由時間をそれぞれ過ごし、荷物のパッキングと軽量を夕方までに終わらせた後、夕方6時からGraduation Dinner となりました。学生の活動拠点施設であるWood Centerの宴会場に席が用意され、学生の席にはひとつづつ、ハスキー犬のぬいぐるみが置いてありました。各テーブルには、滞在中に講義を担当された先生方が家族同伴で着席され、会話も弾んだようです。ピアノ、ドラム、トランペットの生演奏が奏でられる中、UAFのRogers学長の挨拶。中身の濃い内容で、アラスカの人でも短時間でこれだけアラスカを学べる機会はないと述べられました。英語の先生の祝辞の後、修了証が一人づつ名前を呼ばれ、手渡されました。それぞれ先生や仲間との記念撮影を楽しみ、名残惜しい気持ちで会場を後にしました。 一生忘れられない思い出になったと思います。(S, F)

 

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楽しいディナーの後、寮のロビーへ集合しました。ここで、滞在中たいへんお世話になったYorikoさんへ、学生からお礼の色紙がプレゼントされました。その後、いよいよ空港へ向かうバスへ乗車。食堂マネージャーのリサさんがサプライズでお見送りに来ており、学生一人ひとりへおみやげを手渡してくださいました。アラスカ大学サマーセッションのスタッフで、ずっと付き添ってくれたアライダさんともここでお別れ。つらい別れの出発になりました。

 

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フェアバンクス空港へ10時過ぎに到着、チェックイン。ここで、本実習最大のトラブルに見舞われました。乗り込んだ飛行機に不具合が見つかり、3時間も機内待機の後、結局機材を変えることに。しかも、乗務員の規程勤務時間をオーバーするため、一度アンカレジへ立ち寄って乗務員を交代するとのアナウンスがありました。この段階で引率教員はシアトルにもう一泊、帰国日を伸ばすことを覚悟しましたが、結局シアトル空港へは帰国便の出発30分前に到着。急げば間に合いそうなので、広いシアトル空港の端から端まで大運動会の末、出発間際ぎりぎりで関西空港行きの帰国便に間に合いました。

 

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関西空港へはほぼ定刻に着陸。ここで解散式と最後の記念撮影を行い、大学行きと福山駅行きの2台のバスに分かれて乗り込み、福山へ。途中のサービスエリアで久しぶりの日本の味をつまみつつ、夜7時半、オープンキャンパスを終えた大学教職員や学生が待つなか、福山へ到着しました。アラスカ大学を出発して約30時間。充実した環境開発実習の一回目は、無事に終了しました。


最後になりましたが、この実習を支えてくださったご家族の皆様、大学教職員の皆様、そしてアラスカの皆様に、心より御礼申し上げます。


環境開発実習担当 福田 正己・澤田 結基

 

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