9日目 野外巡検

 今日は終日野外巡検に出かけました。 まずフェバンクスから約1時間の場所にあるPoker Flat Research Rangeに行きました。 世界で唯一民間でしかも大学が所有運営するロケット打ち上げ施設です。目的はオーロラ発生時の上層大気の状態を観測するためです。毎冬平均9基を上空300㎞まで打ち上げます。ロケットは固形燃料で、打ち上げのための発射台や打ち上げ指令所が完備しています。

 さすがにスケールの大きい研究移設です。日本では自由にロケット打ち上げが出来ないため、金沢工科大学などはここで打ち上げ実験をします 打ち上げには多くの準備が必要で、たとえは予定日はFAAを通じてすべての国の航空会社に注意喚起をします。特にロシアにはこれが大陸間弾道ミサイルでないことを告知します。やはり大がかりなオペレーションですがそれを6名程度でこなしています。


 昼すぎには Cleary SummitにあるFORT KNOX金鉱山を見学しました。全員保安帽と安全グラスを装着しました。直径1マイル((約1.6km)、深さ600フィート(約200m)のすり鉢状に掘られたオープンピットの花崗岩をダイナマイトで砕き、お化けのように巨大なダンプカーがずりを混んできます。このダンプカーの積載荷重は200tで、タイヤの直径は13フィート(約4.3m)あります。岩石を砕いて細かくし水を加えてスラリー状にしてタンクに投入します。シアン化ナトリュウムを加えると化学反応で金が溶融します。最後に金塊を順に触りました。これ1本で3500万円の価値だそうです。

 

 次にFOX永久凍土トンネルを見学しました。 ここは福田が過去15年ほど調査研究した場所です。凍土中の氷楔の気泡には高濃度のメタンガスが含まれてます。これを回収し、炭素同位体比を計測することで、直接氷の生成年代を決定出来ます。 下層の氷で34000年上層の氷で17000年の結果を得ました。その他ここは永久凍土の成因を知る様々な証拠が残されていて、研究者にとっては宝の山なのです。ちなみにこの日のトンネル内温度あー3℃でした。震えながらトンネルから出ました。次第に雨脚が強まったのでアリエスカパイプランはちらと見るに留めました。1977年建設中にここではNKK福山工場製のシームレスパイプが山積されていました

 


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このページは、2014年7月16日 15:12に書かれたブログ記事です。

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