2014年7月アーカイブ

福山帰着

 羽田への到着が深夜だったので、都内で1泊しました。ホテルが築地にあったので、元気な学生は早朝築地の場外市場で久しぶりの海鮮を堪能していました。10時にホテルを出て、バスで羽田空港へ。今日は休日なのでスイスイと走り抜け予定より早く空港到着。さすがに空港の待合い所では安堵と疲れの表情が現れていました。広島空港へ到着後、解散式を行いました。アラスカでの苦しかった事、泣きたくなった事はここで忘れ楽しい思い出だけを持ち帰ろうと締めくくりました。バスに乗り、福山駅で半数が降りた後大学へ到着。長いようで短かった実習が、無事終了しました。


 いよいよ帰路につきました。朝5時に出発です。食堂マネージャーのリサさんは、見送りと朝食を届けにやってきてくれました。アラスカ航空124便で学生諸君は爆睡状態でした。

 予定通りシアトルに到着。待合い時間が長いので手荷物を預け身軽になって空港の外に出かけることになりました。男子学生諸君は福田の案内でBoeing Fieldにある航空博物館に出かけました。ここには歴史的に価値の高い航空機が展示されています。お勧めはDC-3です。ライバル会社の製造航空機なのにしっかり展示されています。 様々な軍用機や航空機がそのまま展示され「男の子」には堪らない場所です。 屋外にはかっての大統領専用機Airforce Oneやコンコルドが展示されています。私はその中でもぐっと渋くロッキードコンステレーションを見学しました。「コニー」の愛称で知られる4発プロペラ機はその美しいフォルムから空の貴婦人と呼ばれていました。空港への帰路は路線バスとLight Railで戻りました。電車にはSubway のサンドウイッチの塗装がなされていました。

 








 一方女子学生は澤田と桑原が同行し、シアトルのダウンタウンへ出掛けました。空港駅からLight Railに乗り、約40分でダウンタウンの「Westlake」に着きます。そこから歩いて約10分で、市場のあるパイクプレイスです。ここにはスターバックスコーヒーの1号店があり、一目見る観光客が大行列をつくっていました。ダウンタウンでは小グループに分かれ、限られた時間のなかで思いっきり食事とショッピングを楽しみました。シアトルマリナーズのグッズを買った学生もいました。一回り成長した学生とたっぷりのおみやげを乗せたデルタ航空581便は、定刻羽田に向け、離陸しました。

 

 今日は最終日です。 朝食のあとにいつも食事で世話になったマネジャーのリサさんと写真を撮りました。午前中の英語は町に出かけて少数のグループに分かれ、与えられたミッションをこなしてきてそれを両先生に報告するというものです。近くのレストランに行き、そこで働く人に好みの食事はなにかと聞いたり、アウトドアグッズ店ではライフルの種類を聞いたりなななかの難問です。 靴屋で日本とアメリカの靴サイズの違いを店員に聞いてくるという課題もありました。 また様々な写真を撮りそれについて説明するという課題もありました。見知らぬ人に話しかけるのは勇気が要ります。いわば度胸試しでもあります。しかし、積極的に他人とコミュニケーションを図るとても良い訓練でした。

 





 午後6時からいよいよ最後のGraduation Dinnerです。Etsuko Patersonさんのピアノを中心とするジャズコンボとUAF日本語学科の女子学生の歌で日本のメロデイやスタンダードジャズミュージックが奏でられました。式では受け入れ側のSummer session代表のMrs. Michelle Bartlettが挨拶しました。5年前に福田からサマースクールの計画を聞かされてまさか初年度に49名のやってくるとは夢にも思わなかった。しかし今年も順調に終わり大変良かったとのこと。次に福田がサマースクールの成功はUAF側の多大な尽力によることへ感謝の意を表しました。アラスカの人々の優しさや親切を一生忘れないであろうと述べました。続いて英語担当のDuffとKimが継続して英語の勉強をすることを強く勧めるとのスピーチがありました。
 次に一人一人名前が呼ばれ壇上で修了書が手渡されました。一言ずつ各自が感想を述べましたが、達成感と別れの惜別の念で感極まって言葉に詰まる人もいました。講義を担当してくれた方々も含めて全員の集合写真を撮りました。その後も名残惜しく何回も写真を撮り合いました。明日は午前5時出発です。

 

いよいよアラスカ実習も終わりに近づきました。 午前の英語に続きバスでChina温泉に出かけました。ここでは露天風呂を楽しむことが出来ます。各自の興味に従いいくつかの班に分かれてのActivityとなりました。ここでは積極的な地熱利用が行われています。昨年も案内してくれた前田さんに地熱発電や野菜栽培を紹介してもらいました。温度差75℃で発電するシステムは冷媒にフレオンを使い蒸発膨張させてタービンを回転させて発電させます。温室では温泉の水を循環させ併せてLEDによる光調節でレタスやトマトの水耕栽培を行っています。 アラスカのような寒冷地では食料の供給が困難なので、地熱利用でハンデイを乗り越えようとしています。このリゾート施設にはICE Museumがあり -7℃の低温ドーム内には氷で造った家具やバーまであります。防寒服を着て中に入りました。近くの湖までのハイキングを楽しんだグループもいました。またレンタルの自転車で近くを走り回ったグループもあり皆思い思いに豊かな自然のなかでのひとときを過ごしました。 最後にのんびりと露天風呂で疲れを癒すことも出来ました。

 








 









 夕食は FOXにある地ビール醸造所 Silver GulchでFish and Chipを頂きました。但し21歳未満の飲酒は禁じられているので水で我慢です。1997年からここでビール醸造を始めました。アメリカではこのようなマイクロビール醸造が盛んです。 日本ではもっぱらラガータイプが飲まれていますが、ここでは色の濃いアンバータイプを醸造しています。これが発酵期間6日で済むのに対しアンバーは6週間発酵させるので生産に時間が掛かります。発酵期間が長いだけ濃厚な味わいになります。FOXには良質な地下水がわき出す泉があり、これもアンバータイプのビール生産にはぴったりなのです。学生諸君に付き合い、教員もグッと水で我慢しました。

 

シアトルに着きました

 アラスカ大学を離れて、帰国の途に着いています。ただいまシアトル空港の待合室で、羽田行の搭乗を待っています。全員元気、順調に進んでいます。アラスカ大学の最終日までの報告は、追ってブログに掲載いたします。(S)

 午前中の英語クラスが終わって、大学食堂ではなく町で各自が好きなランチを摂ることになりました。 大学から町に行く巡回バスに乗ります。学生証を提示すれば無料で乗車できます。時計回りはRed Lineで反時計回りはBlue Lineです 途中に毎水曜日と土曜日だけ開かれるfarmer's Marketに立ち寄りました。ここでのお目当ては手作りのブルーベルージャムです。昨年もここでジャムをお土産に購入しました。ここでしか手に入らないジャムでマーガレットさんの手作りです。マーケットでは屋台も出店していてここでタイ料理や餃子を食べた人もいました。








 夕食の後に最後の専門講義を受けました。Permafrost Engneeringについて Prof.S.Huangさんが分かりやすく解説してくれました。 Huangさんと福田は25年前から付き合いがあり幾つもの共同研究を展開してきました。 元々は台湾の出身です。講義では、次のようなことが解説されました。
 アラスカをロシアから購入した金額は7.2百万ドルで今の価値では約550億円です。ジャンボ機が1機200億円ですからずいぶんお買い得であったことが分かります。 アラスカには永久凍土が分布し、それが建物などのインフラに影響を与えます。水平的にも垂直的にも切れ目なく永久凍土が分布するのを連続的永久凍土(Continues Permafrost)で場所によって分布が途切れる地域を不連続的永久凍土(Discontinues Permafrost)と呼びます。 フェアバンクスは年平均気温-5.5℃で不連続的永久凍土帯です。

 永久凍土に氷を多く含む場合、一旦融解すると体積が減少し、地盤が沈下することがあります。それをどのように安定化するかを研究するのがPermafrost Engineeingなのです。北極海の油田プルドベイから南の港バルデーズまで原油を輸送する1280kmもの長大なパイプラインが1976年に建設されました。オイルは流れやすいように+60℃まで加熱されています。もし氷を多く含む永久凍土の地中にパイプを埋設すると周辺地盤が融解し地盤沈下します。するとパイプに大きな力が加わり破損します。そこで融解を防ぐために地上に敷設します。このように凍土の性質や融解時挙動をよく理解してパイプラインは設計されています。 また地震断層でパイプが横にずれたりしますので、その対策も立てておかなけばなりません。ここで埋設されているシームレスパイプは全て日本製でJFE 福山製鉄所でも製造されています。 パイプは腐食などで劣化するので30年毎に交換します。クイズや日本語を交えながらの分かりやすい講義でした。

 Duffの英語クラスは、4人ごと順番に、大学近くのSourdough Caféで朝食を摂りながら会話訓練を行っています。このCaféのコーヒーはフェアバンクス1だと言われています。午後は赤祖父先生によるオーロラと北極圏での気候変動についての講義でした。

地球磁場と太陽からのプラズマでオーロラが発生すること、高さは100km以上であり、カーテン状になったりする形状変化のメカニズムはまだ解明されていないとのこと。北極海の海氷減少もそのメカニズムも解明されておらず、南極海では逆に増加している。温暖化の傾向も2001年からは収まりつつあり、最近の日本の高温は一時的なものであろう。 IPCC温暖化の主因を二酸化炭素濃度の増加と決めつけているが、それを裏付ける根拠は十分とは言えない。地球システムは複雑でまだ十分に解明されていない。 コンピューター予測も所詮人間が不十分なデータで計算している訳であり、その通りになるという保証はない。以上がその要旨です。やはり日本語での講義であったため、多くの質問が出されました。 これが英語の講義でも同じだと良いのにと思いました。その後予定されていたカヌー漕ぎは天候が悪く中止となりました。

 

 夕方はフェアバンクス名物SalmonBakeでの夕食です。炭火で焼かれたサーモンとローストビーフ、それに鱈のフライが食べ放題でした。ローストビーフに添えるホースラデイシュ(やまわさび)がツンと辛く絶妙でした。 物館で北極圏の少数民族による踊りが披露されました。カムチャッカから参加した女性シャーマンの踊りが圧巻でした。終日小雨の降る1日でした。

9日目 野外巡検

 今日は終日野外巡検に出かけました。 まずフェバンクスから約1時間の場所にあるPoker Flat Research Rangeに行きました。 世界で唯一民間でしかも大学が所有運営するロケット打ち上げ施設です。目的はオーロラ発生時の上層大気の状態を観測するためです。毎冬平均9基を上空300㎞まで打ち上げます。ロケットは固形燃料で、打ち上げのための発射台や打ち上げ指令所が完備しています。

 さすがにスケールの大きい研究移設です。日本では自由にロケット打ち上げが出来ないため、金沢工科大学などはここで打ち上げ実験をします 打ち上げには多くの準備が必要で、たとえは予定日はFAAを通じてすべての国の航空会社に注意喚起をします。特にロシアにはこれが大陸間弾道ミサイルでないことを告知します。やはり大がかりなオペレーションですがそれを6名程度でこなしています。


 昼すぎには Cleary SummitにあるFORT KNOX金鉱山を見学しました。全員保安帽と安全グラスを装着しました。直径1マイル((約1.6km)、深さ600フィート(約200m)のすり鉢状に掘られたオープンピットの花崗岩をダイナマイトで砕き、お化けのように巨大なダンプカーがずりを混んできます。このダンプカーの積載荷重は200tで、タイヤの直径は13フィート(約4.3m)あります。岩石を砕いて細かくし水を加えてスラリー状にしてタンクに投入します。シアン化ナトリュウムを加えると化学反応で金が溶融します。最後に金塊を順に触りました。これ1本で3500万円の価値だそうです。

 

 次にFOX永久凍土トンネルを見学しました。 ここは福田が過去15年ほど調査研究した場所です。凍土中の氷楔の気泡には高濃度のメタンガスが含まれてます。これを回収し、炭素同位体比を計測することで、直接氷の生成年代を決定出来ます。 下層の氷で34000年上層の氷で17000年の結果を得ました。その他ここは永久凍土の成因を知る様々な証拠が残されていて、研究者にとっては宝の山なのです。ちなみにこの日のトンネル内温度あー3℃でした。震えながらトンネルから出ました。次第に雨脚が強まったのでアリエスカパイプランはちらと見るに留めました。1977年建設中にここではNKK福山工場製のシームレスパイプが山積されていました

 


 China RiverでRiver Boatでのミニクルーズを楽しみました。 昼食は船着き場のレストランで開拓時代のクッキングパンに入った昔風のシチューでした。River Boat Discovery IIIは 280トンで900名の乗客を乗せます。造りは昔風で外輪船です。これでチナ川沿いの施設を訪ねます。 犬ぞりチームや鮭の加工場、毛皮工房などが当時のまま復元されています。 アラスカ開拓のテーマパークとでも言えるかも知れません。 約3時間のクルーズでした。

 

 

 夕方は隣町「North Pole」郊外に住む英語教師Kimさんのお宅でバーべーキューパーテイでした。 芝生の上で食事したり、ボールを蹴ったりして楽しみました。 ハンバーガーの他にメキシコ風のご飯やサーモンベイクもあって皆お腹いっぱい食べました。

7日目 デナリ国立公園

 いよいよ今日はDenali National Park and Preserveへの野外巡検です。 朝6:00にバスで出発しました。公園入り口まで約3時間、そこから公園内は指定のシャトルバスに乗って巡回します。終点はEilson Visitors Centerで、往復8時間かかります。私のカメラが不調なため、学生諸君が撮った写真を掲載します。なかなかの傑作揃いです。


 Denali国立公園は生態学的には Alpine Tundraに属します。高度故に寒冷で森林限界を超えて草本類の他は矮性のヤナギ(Salix polaris)とヒメカンバ(Betula Nana)が主な植生です。こうした生態に適応した野生動物を見ることが出来ます。まず眼にしたのは Grirry Bear(ヒグマ)です。夏の間にベリーを必死に食べあさって、冬眠に備えます。今回のツアーでは合計5頭を見ました。いずれも距離が離れていたのですが、やや銀色に光る毛並みを識別することが出来ました。一回だけカリブーが熊の方向に向かって歩いて行きましたが、カリブーは熊の存在に気がついて引き返し双方が遭遇することはありませんでした。カリブーは8頭ほど見ることが出来ました。バスの前をのんびりと歩いていたり、かなり間近で見ることが出来ました。

 

 北米最高峰マッキンレイ山(標高は6,168m)は今は現地の言葉でデナリと呼ばれています。極地にある高山のため、登頂はエベレストより困難とされています。いつもは雲に覆われて全貌は見えにくいのですが、今回は一瞬だけ雲が切れて全体を見ることができました。8時間のツアーから戻り集合写真を国立公園入口のビジターセンター前で撮りました。またその後はピザレストランで夕食をして午後10時に寮に戻りました。長い1日でした。

お待ちかね PIZZA!    By Dekiden

 朝のmeetingには昨年女子学生の面倒をみてくれたYorikoさんがご主人Franさんと寮に来られました。 ブルーベリーの手作りジュースを差し入れてくださいました。 そこで記念撮影をしました。午前中の英語は2クラスともにダウンタウンに出かけ、与えられたミッションで人や場所を訪ねるという実践型のコミュニケーション演習でした。 だいぶ慣れてきてもじもじしないで話しかけられるようになりました。


 午後はMorris Thompson Visitors Center で先住の若い方々の伝統的なダンスを鑑賞しました。舞台には言語型で分けられた部族名が書かれていて、9名の若者が出身地と好きな食べ物を紹介しました。それからセイウチの胃袋を張ったドラムを叩きながら部族毎に異なるダンスを披露しました。ギターとフィドルの伴奏も加わりAthabasicanのダンスには日本側も舞台に上がり参加して踊りました。 最後に全員が舞台で一緒に記念写真を撮りました。Visitor Centerの Ed Molenさんが達者な日本語で通訳の労をとって下さいました。Center内の見事なジオラマを見学してから寮に戻りました。楽しいひとときでした。

 

 

 寮のロビーではUAFとFCUによる日米麻雀対決が行われました。ルールはまったく同じだそうです。また別のグループは近くの消防署で子供用の帽子をもらって署員と記念撮影をしました。町の人々は皆フレンドリーです。

 

 午前中は英語の講義、午後は博物館のAngela Linnさん担当でアラスカ先住民についての講義でした。言語学的には沿岸漁労民のInupiaq(イヌピアック)やYupik(ユピック)などの通称エスキモーと内陸側のAthabascans(北方インデアンと呼ぶこともある)に大きく分けられます。先住民を呼ぶ場合にはEthnonymで自らを名乗るのに則るのが正しいとされています。
 カナダではエスキモーを差別的名称として使用せず、Inuit(イヌイット)を使用していますが、アラスカではエスキモーが使われ、差別的な意味はありません。生活の様式や装身具は部族ごとで異なっています。YupikとAthabascansの言語の相違は大きく日本語と英語の違いのようなものです。

 


 講演の後で博物館の一般には公開されていない収蔵庫や研究室を見学しました。博物館はまさに研究所であることが実感として理解出来ました。一般公開展示場では動植物や民俗までの様々な展示がわかりやすくなされてました。 入り口には巨大なグリズリーベアの剥製が出迎えます。

 夕食の後、大学の植物園でブルーグラスのコンサートがありました。色とりどりの花に囲まれてのんびりと癒しの音楽を楽しむことが出来ました。(F)

 

 午前中、英語のDuffのクラスでは、大学の消防署や図書館を訪ねて、いろいろ情報を聞き取るという実践を行いました。昼休みにはスポーツカフェに行きWカップサッカーを観戦しながらの昼食でした。

 午後はIARC(International Arctic Research Center 国際北極圏研究センター)所長のProf.Larry HINZMANによる講義でした。HINZMAN博士は、豊富な研究事例を紹介しながら、北極圏の変動が地球の気候システムに大きな影響を与えることからその研究が重要であると述べました。


 IARCは橋本首相とクリントン大統領が取り交わしたコモンアジェンダによって1998年に日米共同で設立されました。初代所長は赤祖父俊一博士でHINZAM博士はその2代目にあたります。建物の名称はShunichi Akasofu Buildingとなっており、ロビーには日の丸と星条旗が掲げられています。全員での集合写真の後列右から2人目(福田のとなり)はUAFの伝説的雪氷研究者(Legend)のCarl Benson博士(87歳)です。60年前に雪結晶の研究で著名は中谷宇吉郎博士が米国の雪氷工学研究所で研究に従事されたときに、その助手として働いていました。詳しくはい岩波書店 中谷宇吉郎集第4巻の解説をご覧ください。

 講義の後地球物理研究所の火山観測センターを訪ねました。火山噴火で航空機が巻き込まれる事故を防ぐため、噴火予知と噴煙の動き予測を行い、航空機に早期警報を出す重要な役割です。センター長Jeffrey T. Freymueller博士に説明してもらいました。

 夕食のあと、野球場で野球を観戦しました。マイナーリーグに相当するアラスカ州内の野球リーグの試合です。地元チームのGoldpannersと、キーナイ半島のOilersとの対戦でした。はじめは点もあまり入らず揉み合いでしたが8回裏にGoldpannersが一気に5点を挙げて勝利しました。 観戦していた諸君も思わず地元ファンとハイタッチして盛り上がりました。(F)

※アラスカ大のネットワーク障害により、1日遅れの更新です。ご了承ください。

 

3日目 野生動物の一日

朝はセーターがいるほど冷え込みましたが、午後には暖かい日差しが戻ってきました。
写真はある女子学生の朝食です。至極健康的です。
午前中の英語の授業はますます順調で楽しく過ごしたようです。

午後の専門科目は、付属博物館のAren Gunderson氏による「Alaskan Mammals(アラスカの野生動物)でした。
テーブルの上には様々の哺乳動物の毛皮や剥製、骨格標本が並べられ、それらを使いながらアラスカに生息する哺乳動物を分かりやすく解説してくれました。
講義の後で、皆は実際に毛皮に手を触れて感触を確認しました。現在もアラスカには毛皮採りを生業とするTrapperが大勢いることを知りました。

 


授業の後、バスで大学付属の大型動物飼育センターに向かいました。
ここでは かってアラスカや北米に広く生息していたものの一旦絶滅したMuskOx(じゃこう牛)の飼育を行っています。さらにカリブーの飼育も行っています。日本語では角としか表現しませんが、一生はえ替わらないのがHornでカリブーやヘラジカ(Moose)のように一年毎に生えるのがAntlerであることを学びました。

 

MuskOXはエサでおびき寄せようとしたのですが、なにせ暑すぎて木陰でじっとしているだけでした。
ここで全員で集合写真を撮りました。

野外観察はまだ続きます。鳥のサンクチャリーに登録されているCreamers Field Wild Life Refugeです。
渡り鳥がここで翼を休める場所です。ここを維持管理するNPOの方々(ほとんど地域の年配者)の案内でTrailを散策しました。

また野外での楽しいバーべーキューを頂きました。お手製のデザートのケーキにたっぷりとクリームが載っています。野外を散策したあとなので皆ぺろりと平らげました。

いかにもアラスカの夏という好天に恵まれた一日でした。

 

午前中は土砂降りの雨が降っていました。

英語はDuffとKim両先生の2クラスに分かれての授業です。
Duffは自信を持ち頭を使ってしゃべろうと皆を奮い発たせました。早速廊下に出て向かい合って3分間であいてに伝える練習をしました。次第に皆もそれに慣れてきて、お昼前にはすっかり楽しい授業になりました。

Kimのクラスでは英語で質問しながら、同じ誕生月など決められた条件の相手を探すゲームから始まりました。アシスタントとして参加したUAFの大学院生とも打ち解け、和気あいあいと英会話を楽しみました。

昼食時には雨も上がり、20分ほど歩いて午後の専門講義の建物に移動しました。

午後の講義は、 Ronald Smith教授による「Natural History of Alaska(アラスカの自然誌)」でした。
アラスカの鳥や熊を日本のそれと比較しながら、ユーモアを交えての講義でした。
アラスカのGrizzly BearはGrayという灰色熊が語源であったり、なぜカリブーの雌には年間を通じて角があるかなどいろいろ興味深い話でした。

講義の終わる頃には日射が射してきたので、大学構内の森での野外観察を行うことになりました。
南向き斜面には永久凍土が存在せずそこには白樺とアスペンが覆っていて、永久凍土が地下に存在する北向き斜面にはトウヒ属が茂っている様子を観察しました。また最終氷期には氷河がなかったフェアバンクスに発達したツンドラ構造土(ポリゴン)の凹凸が、森林の中に残されている場所に行きました。森の中では蚊の集中攻撃を受けました。最後に、長雨ですっかり水位が高くなった湖のほとりに着きました。すっかり晴れた青空のもとに綺麗な湖面を眺めることが出来ました。

2時間以上の野外巡検で夕食時間が迫り、皆急いで食堂へ走りました。
おかげでお腹がすいておいしく夕食を摂ることができました。

アラスカ大学の初日、アラスカやアラスカ大学に慣れるためのオリエンテーションが行われました。
まず昨年と同じく、学生寮の前の丘で初日の集合写真を撮りました。
オリエンテーションでは英語担当のDuffとKimも参加しました。
その後4斑に分かれて学内ツアーを行いました。30℃にも達する暑い日でした。
市内をバス見学したのち、スーパーマーケットでミネラルウォーターなどの日用品を買い込みました。(F)

フェアバンクスへ到着

長い空の旅を終えて、フェアバンクスへ到着しました。全員元気です。
フェアバンクスは晴れており、夜11時だというのに昼のような明るさで暖かく、
Tシャツ1枚で過ごせるほどです。今日は鍵を受け取り、ゆっくり休養します。(S)
アラスカ到着
アラスカ大学

本日出発

 開学してから2回目となる環境開発実習へ、本日出発しました。
 今年は都市経営学部3年生36名が、アラスカ大学で行われる語学研修や専門講義、そしてアラスカの大自然や産業、民族を学ぶ巡検を受講します。
 稲垣学長と教職員、そして昨年アラスカを経験した先輩たちの見送りを受けて大学と福山駅を出発。
 広島空港から羽田空港へ飛び、ただいま羽田でシアトル行の搭乗を待っています。

大学を出発バスでの移動中

空港出発

 今年も、かけがえのない思い出とアラスカの人々との絆をつくってくれることでしょう。
 それでは、行ってきます!(S)

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