福山市立大学
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学長の式辞

2015年度 入学式式辞

(実施:2015年4月4日)

入学式式辞

 今日ここに,教育学部,都市経営学部,合わせて258名の福山市立大学第5期生の皆さんを迎えることができました。北は北海道から南は沖縄まで,全国39の都道府県から出願いただいた1,600人を超える志願者の中から,晴れて選抜され,今日,喜びの入学式を迎えられた皆さんに,心からお祝いの言葉を贈り,皆さんの入学を心より歓迎いたします。また,本日の入学式に多数ご参列いただきましたご家族の皆さんにも,福山市立大学の全教職員を代表して,心からのお慶びを申し上げたいと思います。

 また,今日は,開学後,初めて大学院への入学者を迎えることができました。この4月1日をもって本学に開設した大学院教育学研究科,都市経営学研究科の第1期生,合わせて11名の皆さんの入学を心より歓迎いたします。

 さて,福山市立大学は,4年前の平成23年4月,第1期生265名をもって,わが国81番目の公立大学としてのスタートを切りました。その後,2年目・3年目・4年目と,毎年およそ260名の学生を迎え入れてきました。この春には,開学初年度に入学した第1期生が卒業を迎えるところとなり,この3月23日に大学として初めての学位記授与式を,今日のこの会場で挙行し,教育学部,都市経営学部,合わせて245名の第1期生を社会に送り出すことが出来ました。

 新しく創設された大学では,1年目,2年目と学年が進行し,1年生から4年生までの全学年が揃い,最初の卒業生を社会に送り出したとき,これをもって「大学の完成」と呼んでいます。福山市立大学にとって,この春3月が「大学の完成」の時であったということになります。これに加えて,この春4月に,本学には念願の大学院が開設されました。教育学部に基礎置く教育学研究科,都市経営学部に基礎置く都市経営学研究科。2つの研究科からなる修士課程の大学院であります。これによって,本学の教育研究体制は,より一段と高いレベルで整ったことになります。

 「新しい大学の開学」と「開学後の新しい大学づくり」に,日々邁進してきた我々教職員にとっては,この春は,このように大学の基礎固めを終えて,大学の新たな充実・発展の第2ステージへのスタートを切る大きな節目となる春となりました。このような春に,今日は,学部第5期,大学院第1期生,合わせて269名の皆さんを,迎えることが出来ました。教職員一同,大学のこれからへの決意を新たにしながら,格別な思いを持って皆さんを迎えたということを,今日の入学式にあたって,まず,お伝えしておきたいと思います。

 福山市立大学は,その開学にあたり,3つの大学の使命(ミッション)を掲げました。第1の使命は,持続可能な地域社会の発展を担える人材を育成すること。第2の使命は,社会の課題解決に向けて,地域社会と連携して,実践的で学際的な学術研究を推進し,新しい学問を創造すること。第3の使命は,地域に開かれた教育研究拠点として,地域の文化の向上に貢献し,国際化の時代にふさわしい地域社会の実現に寄与することであります。

 福山市立大学では,この4年間,大学が掲げるこれら3つの使命の達成に向けて,学生,教員,職員が力を合わせ,多彩な大学活動を展開し,着実に成果を積み重ねてきました。また,大学が,大学の使命を果たしていくにあたり,その担い手は,学生であり,教員であり,職員でもあるという考え方に立って,学生と教職員が一体となった教育活動,研究活動,地域貢献活動を展開してきました

 皆さんの先輩となる第1期生から第4期生までの学生たちの,この4年間の活躍はめざましくは,地域に根ざした新しい大学を,価値ある大学を,自らの手で築き上げるという意気込みのもと,キャンパスの内と外で,大きな実績・成果を残してきました。また,学生が,日頃から授業で,授業外で,海外に出掛け,視野を世界に広げ,世界の人々と交流していく。「世界に目を向け,世界に繋がる大学」をめざす本学のこのような気風や校風が,学生に,大学にしっかりと根付いてきました。その結果,第1期生の社会での評価はすこぶる高く,この3月には,就職を希望するほぼ全ての学生が,念願の就職を果たして卒業することができました。

 今日,入学を迎えられた新入生の皆さんには,この4年間,皆さんの先輩達によって培われてきた,このような良き気風や校風,さらには実績や成果を引き継いでいただき,本学がめざす「学生が輝く大学づくり」の力強い担い手となっていただくよう期待したいと思います。我々教職員も,皆さんが福山市立大学に学んだことを生涯誇りと出来るよう,日々,信頼される大学づくりに全力を尽くしていくことを,今日ここに,皆さんに約束したいと思います。

 大学への入学は,皆さんにとって,いよいよ社会人・職業人としての自立の第一歩となります。これからの4年間,夏休み,冬休み,春休みを含めて1,460日の大学生活。その一日一日が,自立に向けたかけがえのない日々となります。我々,教職員は,全力を挙げて,皆さん一人一人を,社会に繋ぎ,職業に繋ぐ大学教育を展開していく決意であります。皆さんの持てる力を,皆さんがまだ気づいていない力を引き出すために,厳しい大学教育,真剣な大学教育を進めていきます。これに真正面から応えていく,皆さん自身の積極性と挑戦心に期待したいと思います。

 大学院に入学された皆さんは,大学で専門的勉学を積まれ,さらには実社会で経験を積まれて本学大学院に入学されました。今日から本学でスタートする新しい大学院は,教育・保育の分野,また都市経営学の分野で,地域の課題を,指導的立場に立って担える高度な人材の育成をめざして創設したものであります。2年間という短い期間ではありますが,周到で緻密な研究計画のもとに,今日の地域の課題,社会の課題に切り込む挑戦的な研究課題に取り組むことによって研鑽を深め,高い研究能力や実践的力量を十分に身に付けていただくよう期待いたします。

 福山市立大学は,福山市47万市民によって創設され,支えられている大学であります。ここ福山では,福山市立大学の学生は,市民の皆さんから親しみを込めて市大生と呼ばれています。皆さん一人一人が,それぞれの自覚と決意をもって,福山市民が誇れる市大生であることを目標に,さわやかで溌剌とした大学生活を送っていただくよう期待いたします。また,自らの力で,市民が誇れる大学を作っていく,市民に信頼され大学を作っていく。これを目標に,大学生活のスタートを切っていただきたいと思います。

 多忙な大学生活であっても,時に空を見,時に海を見て,果てしないものに向かって問いかけてみる。これも,とても大切なことです。海があり,山があり,自然が豊かな福山は,それには絶好の街です。ここ福山のまちで,学識を養い,感性を磨き,人間性を高め,自らの持てる力を,地域に,社会に,そして世界に活かすという大きな志,まっすぐな志を自らのうちに育み,自らの成長に繋げていく。今日から始まる大学生活の日々が,皆さん一人ひとりにとって,そのような実り多い大学生活になることを心から祈念して,福山市立大学全教職員を代表して,入学式にあたっての学長からのお祝いと歓迎の言葉といたします。

2015年(平成27年)4月4日
福山市立大学 学長 稲垣 卓

学長の式辞

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