福山市立大学
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学長の式辞

2011年度 開学式・入学式式辞

(実施:2011年4月4日)

開学式・入学式式辞

 今日ここに,我が国81番目の公立大学として「福山市立大学」が開学いたしました。

 省みれば,福山市が新しい時代の到来と地域の持続的な発展を展望する中で,地域が備えるべき総合力の強化をめざし,開学以来37年の歴史を誇る「福山市立女子短期大学」を母体に,その実績を継承しながら「男女共学の4年制大学」の設置をめざしたのは,今から7年前,平成16年のことでありました。

 以来,福山市では検討組織を立ち上げ,産業界,教育関係者,市民との対話を重ねながら,新大学の基本構想を策定し,さらには大学設置の準備組織を立ち上げ,大学の具体像を立案し,設置認可と開学に向けた諸準備を進め,昨年の10月末に国からの正式な設置認可を受けるに至りました。

 この間の道のりは,決して平坦なものではありませんでしたが,羽田皓市長を先頭に,議会関係者,福山商工会議所,教育界,一般市民の皆様の理解と支援に支えられ,今日の開学を迎えることが出来ました。高等教育の様々な見直しが進むなかで,「新たな公立大学の創設」という大事業に果敢に取り組まれた福山市の関係者の皆様に心からの敬意を表します。

 また,この道のりの中で,大学の基本構想や設置計画を検討する委員会には,わが国を代表する学識経験者や民間人の皆様にご参加いただき,様々にご支援・ご指導いただきました。これら有識者の皆様の高い見識と,これからの社会や世界についての深い洞察力によって,福山市立大学は,21世紀の大学にふさわしい「大学の理念と目標」を明確かつ強固に打建てて,今日の開学を迎えることが出来ました。関係の皆様には,この間のご支援・ご指導に対して,心からの御礼を申し上げます。

 さて,今日ここに,教育学部,都市経営学部,併せて265名の福山市立大学第1期入学者を迎えることができました。文字通り,北は北海道から南は沖縄まで,全国45の都道府県,約2,900名の志願者の中から,選ばれて本日の入学を迎えた皆さん,そしてご家族の皆さんに,福山市立大学の全教職員を代表して,心からの祝意と歓迎の言葉を送りたいと思います。

 わが国は,戦後復興を経て,この半世紀,世界に誇れる経済成長を成し遂げました。そして,バブルの崩壊,「失われた10年」といわれる経済の停滞期を経て,今,少子高齢化や人口減少等,社会の大きな転換期を迎えています。一方,世界では,経済,文化,情報等,様々な分野でグローバル化が進み,また,発展途上国のめざましい経済成長が進むなかで,環境や資源など,地球規模で対処しなければならない新たな課題に直面しつつあります。そして,あの去る3月11日,日本列島は,未曾有の大地震の直撃を受け,今,その惨状からの復興という厳しい課題に直面しています。

 このような状況のなかで、福山市立大学は,まさに我々が立ち向かうべき「社会の変化」,「社会の課題」、「社会の困難」に挑戦する大学として,ここ福山に創設され,開学を迎えました。全国から高い志をもって,今日,ここに入学を迎えた265名の第1期入学者,そして全国18都道府県と海外から着任する52名の専任教員,8名のセンター教授,4名の特任教員,20数名の事務局職員,80数名の非常勤講師が、一丸となって,地域の,そして社会の,さらには世界の未来を切り開いていくための教育と研究,そして社会貢献活動に邁進していくことになります。

 福山市立大学は,安逸を求める大学ではありません。また凡庸であることに満足する大学ではありません。学生と教職員が、それぞれの自覚と責任感をもって、日々最善を尽くすことよって、困難な時代に,困難に向き合い,困難を乗り越えるための「新しい知」を生み出し,新しい時代に「挑戦心をもって社会に貢献できる人材」を育成することを使命とする大学としてスタートします。

 福山市立大学の標語,それは「知は明日を開く(Wisdom opens up tomorrow.)」であります。福山市立大学の教育と研究,そして地域とつながる全ての活動が,福山市の未来を,そして備後地区,中四国地方の未来を,さらにはわが国と世界の未来を切り開くことをめざします。その一歩を今日ここに,力つよく踏み出したいと思います。

 福山市立大学は,福山市47万市民によって創設され,支えられる大学であります。今日,入学を迎えた皆さん一人ひとりが,福山市立大学に寄せる福山市民の熱い思いと期待を深く胸に留め,そして,幾十万の人々が,いまなお震災がもたらした苦難と悲嘆のただ中にある中で,大学入学を迎えることが出来たことの意味を深く胸に刻み,それぞれの決意を持って、これからの大学生活を送っていただきたいと思います。

 自然と歴史,そして産業と文化に恵まれたここ福山の地でのこれからの大学生活が,入学者の皆さん一人ひとりの未来を豊かに切り開く4年間となることを願い,そして福山市立大学の創設に尽くされた全ての皆様の,これからも変わらないご支援・ご指導をお願いして,福山市立大学開学式、平成23年度入学式にあたっての学長の言葉といたします。

2011年(平成23年)4月4日
福山市立大学 学長 稲垣 卓

学長の式辞

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